■専門家たちの「君子豹変」ぶりもトレンド加速の一因
もう1つの要因は、これまで「巷の理」に合致していた専門家たちの見方が変わったことだ。
もちろん、市況に追随して一転して米ドル高継続のほうにシフトしてきたことは容易に想像できるが、こういった「君子豹変」ぶりに動揺する個人投資家たちの手仕舞いがトレンドを加速する一因であった。
わかりやすく、また、納得されやすいことが「売り」である「巷の理」は、往々にして「裏付け」として「理論」が必要なので(特に逆張りの場合)、その理論の語り手がいなくなると、一気に崩れやすいことも容易に想像できる。
もっとも、米中貿易戦争が一段と激化しているなか、なぜ、リスクオフにならず、金、円などの安全資産がなぜ売られたのかに関して、目先多くの解釈が行われている。
その正誤について、正直読んでもよくわからないが、間違いなく言えることが1つだけある。それは、こういった解釈の多くは「事後解釈」であるだけに、正しいかどうか、また、ロジック的に成り立つかどうかについて検証する必要はないということだ。
■次は日経平均の番、いつ買うの? 今でしょ!
先週末(7月6日)に買えなくても、またショートスタンスを維持する余裕があったとしても、米ドル/円について、一番遅くとも7月11日(水)までにはスタンスを改めなければいけなかっただろう。その根拠を、同日のレポートをもって開示し、また、これからのターゲットを提示しておきたい。本文は以下のとおり。
(出所:FXブロードネット)
ドル/円は日足においてアセンディングトライアングルを形成している。同フォーメーションの上放れがあれば、大幅に上値余地を拓ける。しかし、昨日一旦5月高値に接近したものの、ブレイクにならず、「ダマシ」ならここにてダブルトップを形成、却って反落してくるリスクを増強するでは、といった懸念もある。
結論から申すと、このような可能性を完全に排除できないものの、整合的な判断としてアセンディングトライアングルが上放れされる公算が高いとみる。GMMAのサインがフォーメーションの上放れを支持しているほか、PAの視点でも上方突破の可能性が示唆される。
1と表示する高値、スパイクハイとしてまたフォールス・ブレイクアウトのサインと解釈できる上、2の弱気リバーサルのサインで強化され、その後の押しをもたらしたが、3のところで一旦ブレイクを果たし、また3自体が弱気リバーサルのサインを点灯したものの、深押しをせずにしてまた切り返し、昨日の高値につながったわけだから、トライアング内の地合いの堅調を示した。この視点では、昨日5月高値をブレイクできずにいたものの、総じてここから頭を打って反落するよりも、煮詰まりあるトライアングル型保ち合いの構造に沿って上方突破の公算が高く、また近々果たすことでより強いトレンドをもたらすでしょう。
フォーメーションの示唆なら、まずトライアングルの値幅で測った「倍返し」だが、すくなくとも115関門の打診が視野に入る。近々ブレイクのサインがあれば、上値ターゲットの上方修正もあり得るから、丁寧にフォローしていきたい。
ちなみに、米ドル/円はすでに5月高値を更新しているから、次は日経平均の番だ。出遅れたロング筋はいつ買うのか、今でしょ!?
市況はいかに。
(14:00執筆)
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