■3年来のレジスタンスも週足雲も突破!
米ドル/円が上がりましたね。5月末から形成されていたアセンディング・トライアングル(上昇三角形)を上抜けして、高値は112.52円まで。
7月13日(金)の終盤は少し垂れましたが、それでも112.30円台を維持して引けています。
週足終値が111.50円以下だと上昇がダマシだった可能性も出てくるのですが、112円台を保ったことの意義は大きいですね。
米ドル/円は2015年6月から3年間、続いていたレジスタンスラインを上抜けし、週足の雲も上抜け。
月足の雲さえも明確に上抜けようかというところまできており、テクニカル的にも大きく改善しています。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
これだけ米ドルが強いと逆相関にあるコモディティ(商品)市場は軟調です。WTI原油は一時70ドル割れとなりました。

(出所:Bloomberg)
■日銀介入に匹敵するM&Aと中国人民元のプロキシー
米ドル/円上昇の要因は何なのでしょうか?
ひとつは日本企業によるM&A。今年(2018年)上期の日本企業による海外企業のM&Aは過去最大となる13兆円と、東日本大震災後の日銀介入に匹敵する規模。
アイルランドの製薬大手買収に約7兆円を投じた武田薬品の影響が大きいのですが、それを除いても非常に大きな金額です。
【参考記事】
●米ドル/円は円高圧力跳ね返し112円台! 重要レジスタンス突破で流れ変わるか?(7月12日、西原宏一)
M&A関連では先々週(7月2日~)、三菱ケミカルホールディングス傘下の大陽日酸によるアメリカ企業買収のニュースも出ていましたね。
逆に、米小売大手ウォルマートが傘下に収めていた西友を手放すのではとの報道も出ました。ウォルマートは否定しましたが、もし実現すればウォルマートは円資金を米ドル転する可能性が高いことになりますから米ドル/円の買い材料。
ウォルマートはアマゾンなどに押され厳しいですから、手放したい思いがあっても不思議はありません。

(出所:Bloomberg)
マクロでいうと米中貿易摩擦が熾烈化しリスクを取りづらい環境かと思われていたのですが、日本企業は裏でしっかり動いていたんですね。
(次ページではトランプ政権の通商政策や中国人民元安の話題も…)
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