■米ドル/円が上昇した理由を再確認
みなさん、こんにちは。
先週(7月9日~)、3年来のレジスタンス(111.50円)を超えた米ドル/円ですが、一時113円台まで到達しました。
(出所:Bloomberg)
米ドル/円上昇の要因については、今週公開した「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」でもご紹介しましたが、今回は、新しい材料も入れながら改めて見ていきたいと思います。
【参考記事】
●ドル/円は3年来のレジスタンスに週足雲も突破! 円売り材料多く、押し目買いで臨む(7月16日、西原宏一&大橋ひろこ)
■日本企業による巨額M&Aマネーが流入
まず、米ドル/円上昇の要因として、日本企業による巨額なM&Aがあります。
ロイターの報道によれば、今年(2018年)上期の日本企業による海外企業のM&Aは過去最大となる13兆円と、東日本大震災後の日銀介入に匹敵する規模に。
アイルランドの製薬大手買収に約7兆円を投じた武田薬品の影響が大きいのですが、それを除いても無視できない金額です。
【参考記事】
●武田薬品の英シャイアー7兆円大型買収の行方に注目! 巨額の英ポンド買いの噂も?(4月26日、西原宏一)
■米ドル/円はアジア通貨のプロキシーに
次に、米ドル/円がアジア通貨のプロキシー(代替)になっていることが挙げられます。
米中貿易摩擦の拡大により、このところ中国人民元の下落が鮮明です。
(出所:Bloomberg)
つい2カ月前までは貿易摩擦の拡大はリスクオフを誘引し、円高要因とされました。
それが現在はゲームチェンジャーとなっており、中国人民元の下落は米ドル/円の上昇要因となっている模様。
つまり、中国人民元下落のプロキシー(代替)として、米ドル/円が使われているという展開です。
(出所:Bloomberg)
リーマンショック前までの相場では、たとえばブラジルレアルが急落すると、ブラジルレアルは流動性が薄いため、多くのマーケット参加者は、ブラジルレアルのカバーに苦戦しました。
そこで、同じ資源国通貨である豪ドルをショートにしてヘッジをするといった手法をとっていたのです。
それが現時点では、中国人民元の急落に対して、同じアジア通貨で流動性の高い円でヘッジするという手法が取られているとの指摘があります。
さらに、111.50円を超えたことにより、米ドル/円の多くの…
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