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西原宏一_メルマガ取材記事
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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

直近20年、8月のドル/円は確率7割で陰線。
ここからは中期的な円高を考える時期

2018年07月24日(火)12:53公開 (2018年07月24日(火)12:53更新)
バカラ村

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■トランプ発言で米ドル安が加速!

 先週(7月16日~)のトランプ大統領の発言に、金融市場は振らされる展開となっています。

 7月19日(木)、トランプ大統領はCNBCのインタビューで「FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げはうれしくない」「強い米ドルは不利だ」と発言し、中国人民元についても下落していることに不満を述べました。

 米ドル/円は111円台半ばを超えてから、買い目線の人が増えていたタイミングでもあり、米ドル安へ推移しました。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 さらに、翌日20日(金)にはツイッターで、中国とEU(欧州連合)は通貨を操作しているとつぶやいたことで、米ドル安が加速しました。

米ドルVS世界の通貨 4時間足
米ドルVS世界の通貨 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足

■中間選挙まで米ドルは上昇しにくい!?

 トランプ大統領はFRBの利上げに不満を述べていますが、FRBには独立性があることから、今後も利上げは継続されていくと思います。

 ただ、米ドル高に関しては、連日、同じ発言をしていることもあり、かなり不満があるものと思います。

今後、米ドル高トレンドになったとしても、11月の米中間選挙が終わるまでは、トランプ砲で上昇はすんなりと続かないことが考えられます。

【参考記事】
長期の下降トレンドラインなどをブレイクしたドル/円を積極的に買えない理由とは?(7月17日、バカラ村)
トランプ砲連発だが日本は射程に入らず? 日銀会合まで米ドル/円の上値は重そう…(7月23日、西原宏一&大橋ひろこ)

■ユーロ/米ドルの1.15ドルは難しくなったが…

 EUがユーロを安くなるように操作しているとのつぶやきもありますが、中国人民元と違い、ユーロは操作して安くしているようには思えず、トランプ氏が大統領になってからを見ても、ユーロは上昇しています。

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足

 ここで考えられるのは、25日(水)に米欧首脳会談があり、そこで通商協議が行われる予定ですが、交渉を有利に進めるために先にけん制をしたことです。

 もしくは、先週(7月16日~)、自動車関税の公聴会がありましたが、ここでの証言に自動車関税への批判が多かったこともあり、ユーロの水準の方へ不満がいった可能性が考えられます。

ユーロ/米ドルは2カ月以上、1.15~1.1850ドルでもみ合いを継続していますが、トランプ大統領のドル高けん制発言と、ユーロ安への不満もあり、新しい材料が出てこないと、1.15ドルへの推移は難しくなったように思います。ただ、買い上げる材料はない状態です。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足

■主要通貨は方向性が乏しい状態に

為替市場でトレンドが出ているのは米ドル/中国人民元で、トランプ大統領のけん制発言があっても、上昇(米ドル高・中国人民元安)が継続しています。

米ドル/中国人民元 日足
米ドル/中国人民元 日足

(出所:Bloomberg)

 米ドル/中国人民元が上昇していることもあり、逆相関性が高いゴールド(=金)は、下落が継続しています。

NY金 日足
NY金 日足

(出所:Bloomberg)

 一方、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルも、逆相関性が高いのですが、こちらは1カ月間、もみ合いが続いており、為替市場の主要な通貨には動きがなくなってきています

豪ドル/米ドル(左)とNZドル/米ドル(右) 日足
豪ドル/米ドル(左)とNZドル/米ドル(右) 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 日足

米ドル/円は113円台まで上がったものの、現在は111円台まで戻ってきており、動きはあるものの「行って来い」をしているだけで、こちらも方向性があるような状況ではないです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

■今週の予想レンジは?

 目先のイベントとしては、7月25日(水)に米欧首脳会談、26日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会、30日(月)~31日(火)に日銀金融政策決定会合があります。

 今月(7月)中に日米通商協議が行われる予定ですが、こちらはまだ日程の折り合いがつかず、いつ開催されるのかは決まっていない状態です。

 ファンダメンタルズ的には、米国の景況感は良く、平穏な相場となれば、米ドル高に推移しやすい状況です。また、中国人民元安が継続していることも、米ドル高に推移しやすくなる要因といえます。

 テクニカル的には、目先はまだもみ合いとなり、今週(7月23日~)は米ドル/円が110.00~112.50円での推移、ユーロ/米ドルはイベントが多いですが、1.17ドルを中心とした推移になるのではないかと考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

■8月の米ドル/円は下落しやすい!?

 来月(8月)になれば、米ドル/円の月足が陰線になる確率が、非常に高くなります。直近20年であれば、7割の確率で8月の米ドル/円は陰線となっています。

 ここから、中期的には円高で考えるべきかと思います。

 先週(7月16日~)の下げで、米ドル/円は113円台がレジスタンスとなったため、8月のレンジは109~113円ではないかと考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

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