■貿易摩擦継続だが金融市場の反応は小さい
トランプ大統領による敵対的な通商政策が続いており、それに振らされる展開とはなっているものの、金融市場の反応は小さくなってきています。
6月19日(火)に、トランプ大統領は中国からの輸入品に対して2000億ドルの追加関税を課すことを警告し、リスク回避の動きから、米ドル/円は109.55円まで下がりました。

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中国はすぐに、報復関税をかけることを示唆しています。
貿易摩擦が活発化しており、そのため、リスクを取る動きが抑制され、株式市場は軟調な展開となっています。

(出所:Bloomberg)
■2000億ドル規模なら中国は報復関税が不可能に…
これまでの中国の報復関税は、米国と同額の関税を課すという行動でした。しかし、今回は2000億ドルと巨額になります。
昨年(2017年)の米国の中国への輸出額は約1300億ドルのため、これまでのような同額の報復関税は不可能となります。
【参考記事】
●米中貿易戦争激化でも中国株以外はなぜ安定?中国が早晩、妥協するとみる理由は?(6月22日、陳満咲杜)
もし、トランプ大統領が2000億ドルの関税を決定するようであれば、中国はそれへの対抗措置では、別の方法を採るしかなくなります。

米中による報復関税の応酬が続いているが、仮に米国が2000億ドル規模の追加関税を発動したら、中国は別の措置を模索しなければいけなくなる。写真は2017年11月の米中首脳会談時のもの。 (C)Bloomberg/Getty Images
■今後は日本も貿易摩擦の当事者に!?
トランプ大統領は、EU(欧州連合)から輸入する自動車に対しても、20%の関税をかけることを示唆しました。
中国だけでなく、EUとも貿易摩擦が続いており、今後は日本もその当事者となりそうです。
来月(7月)には日米通商交渉が始まるため、米ドル/円は上昇しにくい展開となりそうです。

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さらに、中国による知的財産権の侵害を防ぐため、中国企業の対米投資制限を計画しているとの報道もありました。
■米ドル/円は戻り売りを継続
今週(6月25日~)は半期末の週になるため、特殊玉が出てくる可能性も高く、それに振らされる展開となりますが、来週(7月2日~)末の7月6日(金)には、米国が中国へ500億ドル規模の追加関税を発動することから、株式市場も上昇しにくく、米ドル/円も上昇しにくい展開が続くと予想されます。
【参考記事】
●ドイツ政情混乱! 今週は月末、四半期末、半期末が重なり、「特殊玉」にも要注意!(6月25日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル/円は、長期の下降トレンドラインが111円台後半にあります。また、2017年11月からの下降トレンドラインも110.80円あたりまで下がってきており、これが上値を抑えています。

(出所:Bloomberg)
M&A絡みの買いもあって、下がりにくい展開が続いていますが、110円台後半から上値が重く、貿易摩擦もあって買い上げるような状況ではないため、戻り売り継続で考えています。
【参考記事】
●貿易戦争を警戒してるのに米ドルはなぜ安定している? 米ドル/円は需給に注目!(6月22日、今井雅人)
ユーロ/米ドルは、1.1500ドルのサポートで反発し…
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