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西原宏一_メルマガ取材記事
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル高予想変わらず!「偉大なアメリカ」の
利上げに対し日銀政策は「コップの中の嵐」

2018年08月03日(金)17:35公開 (2018年08月03日(金)17:35更新)
陳満咲杜

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■日銀会合後、円は買われなかった

 日銀会合後、円は買われなかった。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(出所:IG証券

 これは、前回のコラムで提示したシナリオ(結果としては無風通過、また円買い派を失望させる内容になる)のとおりだったが、具体的な政策に関していろんな解釈が行われ、これからの見通しもいつものように見方がわかれるところだ。

【参考記事】
金融政策変更報道は市場反応を探る日銀のリークか!? 材料出尽くしで来週は円売り!(2018年7月27日、陳満咲杜)

 しかし、だからこそ、市場センチメントは正常な状況にあると思われ、足元のマーケットもバランスが取れているといえる。

■円安派と円高派で日銀政策の重視するポイントが異なる

 日銀政策に関する具体的な解釈は、エコノミストの方々にお任せしたいので、ここでは深入りしないが、日銀が長期金利の上昇を容認しつつ、緩和を続けるという「骨太の方針」を把握しておきたい。

 ここから円高の余地を予測する方の多くは、“長期金利上昇の容認”といったポイントに着目し、逆に円安予想派の多くは、“大規模緩和継続”というところをより重視しているだろう。

 ロジックとしてどちらも間違っていないが、相場のことは相場に聞かなければ仕方がないので、やはり相場の値動きのチェックや内部構造の解明を優先させなければならない。

■主要クロス円の軟調で円安モメンタムが抑制されている

 まず、前述のように日銀会合後、円は買われていなかったが、大幅な円安も観察されていない。日銀政策に関する解釈が分かれたため、相場がそれを織り込むまでに時間がかかることも一因だが、主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)における外貨安の進行も、大きな要因であった。

 換言すれば、米ドル/円は前回のコラムにて指摘したように、110円台のトライをもってスピード調整を十分果たしていたが、主要クロス円の軟調が観察され、全体として円安のモメンタムが抑制されているのも鮮明である。

【参考記事】
金融政策変更報道は市場反応を探る日銀のリークか!? 材料出尽くしで来週は円売り!(2018年7月27日、陳満咲杜)

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨vs円 4時間足

 ここで注意していただきたいのは、ユーロ/円など主要クロス円の軟調の主因は、円高ではなく外貨安だ。換言すれば、ユーロなど外貨の対米ドルでの下落がまた鮮明になってきたから、クロス円も外貨安につられた形で円高に振れたわけだ。このポイントを見逃すと、相場の全体像を見誤るリスクが大きい。

 つまるところ、米ドル高のモメンタムがまた強まってきたからこそ、円安のモメンタムが抑制されるわけだ。

 米ドル/円のみではなく、米ドル全体、円全体の視点をもって相場をみれば、今の話をよくおわかりいただけるかと思う。

 同じ視点で言えば、米ドルの高安も…

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