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FX会社が警戒するトルコの「犠牲祭」とは?
日本発のトルコリラショック再開はある!?

2018年08月16日(木)12:35公開 (2018年08月17日(金)12:35更新)
ザイFX!編集部

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トルコリラショックはひとまず終息!?

「8月は取引参加者が少なく相場が荒れやすい」

 今回、このことを改めて思い知らしめてくれたのがトルコリラ相場でした。

 8月になってトルコと米国の関係が一段と悪化し、そこにトルコ自身の政治的・経済的な問題も重なってトルコリラが暴落したことは、ザイFX!でもお伝えしてきたとおりです。

【参考記事】
トルコリラ/円が一時、16円台まで暴落! トルコリラ急落の震源地はユーロか!?
トルコリラ/円は一時15円台まで大幅続落! 原因はトランプとエルドアンの両大統領!?

 トルコ関連資産を多く保有する欧州の金融機関のリスクが警戒されたり、新興国からの資金流出懸念も連鎖的に高まって、金融市場全体がちょっとしたパニックに陥りました。

 トルコリラ/円は8月13日(月)に一時、15円台半ばまで史上最安値を更新。8月1日(水)のトルコリラ/円は22円台半ばを中心に推移していましたから、わずか半月足らずで7円程度、率にして30%以上も下落する場面があったということ。まさに暴力的な下げでした。

トルコリラ/円 4時間足
トルコリラ/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足

 フリーフォールのようなトルコリラ暴落で、トルコを訪れている外国人旅行者が世界的な高級ブランド店に押し寄せているなんてニュースも話題になっていますが、トルコリラ/円の買いポジションを持っていた方にとっては、気になって仕方がない日々が続いたのではないでしょうか…。

 ただ、先ほどの4時間足チャートを見ると、トルコリラ/円は15円台半ばが何度かサポートされて、そこから一時、19円台まで反発しています(それ以降はまた、上値が重くなっている感じにも見えますが…)

【参考記事】
トルコ人ストラテジストが分析! 牧師釈放は近そう。ならばトルコリラ/円は19円まで反発(8月15日、エミン・ユルマズ)

 米国とトルコの対立は続いていますが、ひとまず短期的に相場は落ち着いたようです。マーケット全体も冷静さを少し取り戻し、トルコ発の世界的な金融ショックが起こることはないといった声も増えてきたようです。

 これでトルコリラが当面の大底を打った…のかはまだわかりませんが、現段階ではパニック的な動きがいったん終息に向かっているような感じですね。

トルコが祝日になる犠牲祭に注意!?

 しかし、市場で今、トルコリラに絡んで少し気にしておいた方が良いかもしれないと言われているイベントがあります。

 それは「犠牲祭」

 恐ろしさを感じさせずにはいられない名前のお祭りですが、これはイスラム教で定められた宗教的な「イード」と呼ばれる大祭のこと。日本でも有名なラマダン(断食)明けに行われるイードと並んで、ムスリム(イスラム教徒)にとって非常に重要なイベントです。

国民の9割以上がムスリムのトルコにとっても、当然、犠牲祭は重要なイベント。犠牲際はトルコでは「クルバンバイラム(Kurban Bayrami)」と呼ばれ、多くの国民がお祝いをします。

 ちなみに、ラマダン明けのお祭りはトルコでは「砂糖祭(イフタル・バイラム)」と言うんだそうです。甘いお菓子をみんなに振る舞うためにこう呼ばれているという説があるようですが、砂糖と犠牲…、なんとも対象的なネーミングですね。

 では、犠牲祭はどんなことをするのかというと、毎年恒例のメッカ巡礼の最終日から4日ほど実施され、羊・牛・ヤギなどを生贄として神(アッラー)に捧げてお祈りをするんだそう。この間は、イスラム圏の国々は祝日となります。

犠牲祭の様子(写真)

上の写真はトルコと同じイスラム教国、パキスタン・イスラム共和国(通称・パキスタン)での犠牲祭の様子。こんなふうに家畜を吊るして神に祈りを捧げるんだそう。 (C)Anadolu Agency/Getty Images

 なかなかインパクトのあるお祭りですが、この犠牲祭、今年(2018年)は8月21日(火)が開始日になるのです。

 そう、まもなく祭りが始まるということ。これにあわせてトルコでは犠牲祭の前日となる8月20日(月)から24日(金)まで、1週間まるまる祝日となります。政府や金融機関も、少なくとも21日(火)から24日(金)までお休みとなります。

FX各社で警戒感が高まっている様子…

 そのため、犠牲祭によるトルコの連休中は、流動性が低下し、トルコリラ相場のボラティリティが高まるかもしれないというのが、ここのところ聞かれる話題です。

 こうしたことからFX会社の中には、顧客に向けて、資金に余裕を持たせたり、ポジションの管理を徹底するよう注意喚起を行っているところがあります。

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(出所:GMOクリック証券

 また、直近の暴落も踏まえたうえで、今後も通常よりスプレッドが拡大する可能性をお知らせしたり、急遽、トルコリラ/円のスプレッド縮小キャンペーンを終了することを決定したFX会社も見受けられます。

 先日公開した以下の【参考記事】にもあるとおり、8月10日(金)にトルコリラ/円が暴落したときは、スプレッドが100銭(1円)まで拡大していた口座も存在しました。

【参考記事】
イケダハヤト氏も知らない、トルコショックでもスプレッドが拡がらなかったFX口座とは?

 すでにポジションを保有している方だけでなく、トルコリラ/円のトレードをやってみようかな…と思っている方も、しばらくはトルコリラ相場の動きと取引時のスプレッドには、特に気を配るようにしておいた方が良いと思います。

トルコリラ相場を急変させるような材料やニュースはいっぱい

 ただ、今回、犠牲祭のことを初めて知った方も多いと思います。強烈なネーミングのため、記者は存在だけ知っていたのですが、それがいつ実施されるものなのか、どんな内容なのかは把握しておらず、きちんと調べたのは初めてです。

 個人的にあまり注目していなかっただけなのかもしれませんが、過去に為替市場で犠牲祭がトルコリラ相場に絡んだ材料として、大きく取り上げられた記憶もありません。ざっと調べてみても、過去にFX会社が今回のように注意を呼びかけていたケースは見当たりませんでした。

 ちなみに、犠牲祭はイスラム教社会で主に使われているヒジュラ太陰暦の12月10日に実施されることになっているため、ヒジュラ太陰暦を使わない私たちから見ると、毎年、違った日にやっていることになります。昨年(2017年)は9月1日(金)が開始日でした。

 ということは、これはあくまでも記者の個人的な考えですが、夏枯れ相場で市場の流動性が乏しいなか、トルコリラが大暴落した直後に犠牲祭が訪れるというタイミングの悪さが重なって、マーケットで必要以上に警戒されてしまっているのではないでしょうか。

 しかしながら、8月17日(金)には、大手格付け機関がトルコの格付けを発表する予定になっていて、格下げが実施されるのではないかという警戒感が漂っています。また、米国とトルコの一段の関係悪化の原因となった、米国人牧師解放の行方に関しては、いきなり事態が変化するかもしれません。

 高金利を嫌う独裁的なエルドアン大統領の影響力が強くて、思うように利上げできないトルコの中央銀行が、さすがにこのままではマズイ!とばかりに、どこかで緊急利上げを実施する可能性もゼロとは言えないでしょう。当然、それを祝日にやってはならない決まりもありません。

エルドアン大統領の写真

高金利を「悪」を呼んで中央銀行の利上げをけん制し続けるトルコのエルドアン大統領。さすがにこのままではトルコ経済もヤバイと思うのですが… (C)Anadolu Agency/Getty Images

 つまり、トルコリラ相場を急変させるような材料やニュースはいっぱいあるわけです。犠牲祭の影響力がどれほどあるのかはわかりませんが、やはりトルコリラをトレードする方は、しばらくの間はいつも以上にリスクを抑えたうえで、慎重に相場に臨んだ方が良いと言えそうです。

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相場は下落しているのに証拠金はアップ!?

 というわけで、犠牲祭の影響はがどれほどあるのかはよくわからないけれど、時期的にも注意しておくのが賢明だよね…という感じで締めようと思っていたのですが、個人的に、他に気になることがあるのです。

 それは、FX各社のトルコリラ/円の必要証拠金額です。

 日本の個人のFX口座ではレバレッジが最大25倍(証拠金率4%)に制限されています。もしも、ある通貨を100万円分買おうと思えば、どんなに少なくともその4%に当たる4万円の証拠金は必要ということになります。

 必要証拠金はそのときの為替レートの水準に照らし合わせてリアルタイムで算出するFX会社もあり、その場合はトルコリラ/円がこれだけ下落しているので、必要証拠金の額は趨勢として下がり続けていることになります。

 他には、1週間などといった決まった期間、原則として一律の必要証拠金額を適用するFX会社も存在します。これも、基本的に相場の下落が続いていれば、必要証拠金の額も以前に比べてかなり安くなっているのが通常時の動きです。

 しかし、トルコリラ相場の直近のボラティリティが非常に高まっていることを受けて、IG証券サクソバンク証券など一部のFX会社は、トルコリラ/円の維持証拠金率を見直して、必要証拠金額の引き上げを実施しています。

IG証券のリリース
IG証券のリリース

(出所:IG証券

 引き上げられた必要証拠金額は、すでに保有しているトルコリラ/円のポジションに対しても適用されます。

 トルコリラの乱高下がしばらく続き、今後、各社でこうした動きが広がっていけば、純資産に対する必要証拠金の比率が高くなって、ポジションの一部決済を余儀なくされる投資家が出てくる可能性があるかもしれません。また、そういった中でもしもトルコリラ相場が一段と下落してしまうようなことがあれば、強制ロスカットに引っかかってしまう人も増えるかもしれません…。

くりっく365は取り扱い会社によってまばら

 FX各社で注意喚起がなされたり、必要証拠金額の引き上げを実施するなか、トルコリラ/円の動向を探るうえで欠かせない存在の1つがFXの公設取引所、くりっく365です。

 店頭FX各社における、顧客の取引量やポジション残高を把握するのは困難ですが、くりっく365はごていねいにも、ユーザーの売買データを日々、公表しています。そのため、良くも悪くも市場で注目されることが多く、ザイFX!でもこれまでに何度か取り上げたことがあります。

 そのくりっく365では、トルコの犠牲祭期間にあたる8月20日(月)からの1週間、個人投資家を対象に適用するレバレッジ25倍方式のトルコリラ/円の為替証拠金基準額が、現状の8950円から8030円へ引き下げられます。

(出所:くりっく365)

 しかし、くりっく365の為替証拠金基準額にはもう1種類あります。それが「レバレッジ25倍上限付きHV方式」というものです。くりっく365によると、「その時々の相場変動を踏まえ、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)に基づいて算出した金額のうち、いずれか大きい方の金額を証拠金基準額とする方式」とあります。つまり、直近のボラティリティを考慮して決定する方法ということです。

 このHV方式に基づくトルコリラ/円の為替証拠金基準額は、8月20日(月)から1週間のあいだ、1万2950円となります。現在が8950円なので、4割以上も引き上げられるのです。

(出所:くりっく365)

 一般的な為替証拠金基準額を採用するのか、HV方式で算出された為替証拠金基準額を採用するのかは、くりっく365の取り扱い会社に委ねられています。さらにくりっく365の基準額をもとに、それを下回らない範囲で独自に証拠金額を設定しているところもあるので、金額は会社によってバラバラというのが実情です。

 そこで、くりっく365の取り扱い会社27社のうち、取引参加者に該当する11社に絞って可能な範囲で調べてみると、8月20日(月)からトルコリラ/円の必要証拠金額がアップするところは約半分ありました。

くりっく365でトルコリラ/円のポジションを持っていたり、トレードしようと思っている方は、自分が口座を持っている取り扱い会社のトルコリラ/円の必要証拠金額がどうなるのか、いまのうちにしっかり確認しておくことをおすすめします!

 もちろん、くりっく365に限らず、店頭FX会社で取引している方も、必要証拠金額をチェックして、資金に余裕をもって臨むようにしてくださいね。

トルコリラ/円の買いポジションは随分減っている

 最後に、くりっく365の公表しているデータを基に、もう少し状況を確認しておきたいと思います。

 以下はくりっく365の日次データの中から、2018年1月2日(火)~8月15日(水)までのトルコリラ/円の買いポジション量と、その日の精算値を抽出してグラフにしたものです。

※くりっく365のデータを基にザイFX!が作成

 これを見ると、年初は相場の下落にともなって買いが増えていましたが、3月にガクッと減り、そこから横ばいになったと思ったら、以下の【参考記事】でも触れた出来事であっという間に30万枚を割り込みます。そして7月に盛り返してきたと思ったら、今回の暴落で一気にポジションがふるい落とされたことがわかります。

(※くりっく365の場合、「1枚」とは「1万通貨」を指す)

【参考記事】
【謎】トルコリラが半年間に2回も朝7時すぎ~7時10分すぎに急落したのはなぜか?

 全体的な傾向としては、比較的緩やかに下落しているときは値ごろ感の買いが入ってポジションが増えるけれど、急速に下落した場合は、怖くなって買いポジションを手仕舞ったり、強制ロスカットによって撤退したユーザーが多かったと推測できますね。

 相場が目先の底を打った8月13日(月)以降も、買いポジションは減っているのがわかります。8月15日(水)終了時点の買いポジション量は19万9599枚と、20万枚を割り込んでいます。

悪夢の再来とならないよう…

 多くのFX会社がトルコリラ/円を取り扱っていますから、くりっく365ユーザーの売買データが、そのまま日本の個人投資家のトルコリラ/円取引の縮図と考えられるかはわかりません。

 しかし、他の通貨ペアと比べてスワップ金利(スワップ金利)の水準が魅力的ということもあり、個人投資家のトルコリラ/円の売買比率は、以前から圧倒的に買いが多いというのは周知の事実です。

 今回のトルコリラ暴落で、くりっく365ユーザーの買いポジションは一段と減りましたが、それでもまだ20万枚近く残っています。きっと、店頭FX会社でもまだ、それなりに買いポジションがあると思います。

 過去には、膨れ上がったくりっく365のトルコリラ/円の買いポジションが海外の投機筋に狙われたんじゃ…と思ってしまうような出来事もありました。

【参考記事】
衝撃の13分間。崩れ落ちたトルコリラ/円の真相とは? 暴落の震源地は日本にあった!? のかも…(1)
衝撃の13分間。崩れ落ちたトルコリラ/円の真相とは? 暴落の震源地は日本にあった!? のかも…(2)

 考えすぎで余計なお世話かもしれませんが、トルコリラ相場が不安定なときに同じようなことが起って、トルコリラ/円が必要以上に暴落してしまい、日本が震源地のトルコリラショック再開!なんてことにならないことを、個人的には願うばかりです。

(ザイFX!編集部・堀之内智)

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