■米ドル高への調整が入る1週間となるか
今週(8月20日~)は米金利に注目でしょうか。
9月、12月と年内あと2回の利上げが既定路線ですが、8月22日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されます。
前回FOMCではタカ派的姿勢が目立ちましたが、「実は利上げに慎重な意見も出ていた」ということだと米ドル高の修正もありそうですね。
僕の見ているチャートでも調整が入りそうな形となっています。米10年債利回りが3%に乗ってこないようだと米ドルが売られやすくなるかもしれませんね。
米ドル/円も膠着気味ながら徐々に111円台が遠くなっています。
【参考記事】
●中期的にはリスクオフ継続で円高進行中! 銅価格20%強急落が意味するものとは…!?(8月16日、西原宏一)

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
■ユーロ/米ドルが総じて下目線なのが気がかり…
8月23日(木)からは毎夏恒例のジャクソンホールシンポジウム。注目は日本時間8月24日(金)23時から行われる、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の講演です。

ジャクソンホールは米国のワイオミング州にある地名(建物の名称ではない)。写真をみると、非常にきれいで、豊かな自然が広がっている (C)ullstein bild/Getty Images
FOMC議事録やパウエル議長講演を受けてユーロ/米ドルが戻るようならユーロを売ってみたいと思うのですが、このまま米ドル高トレンドが転換してしまう可能性もありますよね。どうお考えですか?
ユーロ/米ドルについては総じて下目線に転じているのが気がかり…。
下を見ているといってもパリティ(=1.0000ドル)を予想するような声は聞かれませんし、もし下がるのならもっと速いスピードで落ちているはず。
当面は1.13ドルから1.15ドルくらいのレンジとなりそうですし、ショートがたまってきたようなので1.15ドルを超えるようだとショートカバーへの警戒が必要です。

(出所:Bloomberg)
もし、ユーロ/米ドルが戻り高値をつけにいくのなら、米ドルと逆相関にある金(ゴールド)が買い戻されるかもしれませんね。

(出所:Bloomberg)
■歴史的! ゴールドが異例の売り越しに!
足もとの貴金属市場は弱いですね。銅は直近高値から20%の急落、金も昨年(2017年)1月以来の安値水準まで下落しています。
【参考記事】
●中期的にはリスクオフ継続で円高進行中! 銅価格20%強急落が意味するものとは…!?(8月16日、西原宏一)
おもしろいのがCFTC建玉ポジション。金先物の投機筋ポジションに大きな変化がありました。コモディティ(商品)の投機筋ポジションは通常買い越し状態にあるのですが、先週(8月20日~)はなんと金先物のポジションが売り越しに転じました。
歴史的にも珍しい現象です。売り込み過ぎたとして投機筋が買い戻しに動くのか、このままショートが積み上がっていくのか――大注目です。

(出所:Bloomberg)
同じ貴金属でファンダメンタルズがよくないプラチナは売り越しが継続していますので、このまま金のネットショートが拡大する可能性もゼロではありません。
ユーロにショートカバーが入るなら、金にもショートカバ―が入って短期的には戻りそうですが…。
気になるのは中国。上海総合指数は3000ポイントの大台を割ってから下げ止まる気配がなく、2700ポイントも割り込んでいます。
不思議なことに当局からはこれといった株価対策は出ていません。中国がこのまま沈んでいくようだと、金はともかく、銅などのコモディティ市場は厳しいなという印象です。

(出所:Bloomberg)
(次ページではトルコ情勢やジャクソンホールシンポジウムの注目点が…)
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