■さらなるリスクオフの動きに警戒
現在の金融市場を取り巻く環境は複雑です。
米国は、段階的に政策金利を引き上げ、先進国でもっとも金利が高い通貨となりました。
当然、これは米ドル高要因です。
【参考記事】
●金利環境を見れば当面、米国が一人勝ち!? 本邦M&A活況で米ドル高・円安相場に!(6月15日、今井雅人)
※日本の政策金利は日本銀行が金融市場調節方針とする短期政策金利の値を掲載
※FRB、各国の中央銀行のデータを基にザイFX!が作成
米国の景気もしっかりしており、通常であれば、株価も堅調に推移するはずです。
ところが、トランプ米大統領の強引な通商交渉、関税措置などが、各国からの関税の報復措置を招き、世界的に貿易戦争が起きかねない状況を招いています。
特に、米国と中国の関係は、かなり悪化しています。今後の波乱要因であることは、間違いありません。
こうした動きは、世界経済の停滞を引き起こし、リスクオフの動きを誘発しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
まだ、市場の反応は本格的なものではありませんが、今後の展開次第では、さらなるリスクオフの動きが起きる可能性もあります。
■米国人牧師解放は市場のカンフル剤になるか?
さらに、ここにきて、トルコの金融市場で混乱が起きています。
元々、トルコは経常赤字と高インフレという、2つの問題を抱えています。
そのため、トルコリラは何年もの間、ずっと下落し続けてきました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 月足)
そこに、政治問題も絡んできました。米国との衝突です。
米国は、2016年のクーデター未遂に絡んで軟禁状態にある米国人牧師、ブランソン氏などの解放をトルコに求めています。しかし、トルコのエルドアン大統領は、強硬な姿勢を崩していません。
米国のサンダース報道官は、「ブランソン氏が解放されても関税措置は解除されない。関税措置は国家安全保障に絡んでいる。ただ、制裁措置はブランソン氏を含む、米国が不当に身柄を拘束されていると認識する人々の解放に関連して導入されており、解放されれば解除を検討する」と述べており、解放が実現すれば、ある程度、市場は好感するでしょう。
【参考記事】
●トルコ人ストラテジストが分析! 牧師釈放は近そう。ならばトルコリラ/円は19円まで反発(8月15日、エミン・ユルマズ)
●トランプ砲がトルコショックに追い打ち! 米国株が崩れると、リスクオフ加速も…!?(8月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
しかし、事態はそれほど単純ではありません。前述のとおり…
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