■新興国不安の拡大は回避できそうな状況に
2点目の不安定要因は、新興国経済への不安です。
先日、トルコ中銀は政治圧力に屈せず、大幅な利上げを実施しました。
【参考記事】
●トルコ中銀は、6.25%利上げで満額回答! トルコリラ/円が20円超えを目指すには…!?(9月14日、エミン・ユルマズ)
※トルコ中央銀行のデータを基にザイFX!が作成
また、南アフリカは直近での利上げこそ見送ったものの、今後に関しては、金融引き締めへの強い姿勢を鮮明にしています。
こうしたことは、市場に安心感を与えています。
アルゼンチンに関しては、IMF(国際通貨基金)が金融支援することを明らかにしています。
過去に、新興国で金融危機があったケースを見てみると、ほとんどのケースで、IMFが金融支援を実施しています。
その場合、財政再建のために、対象国に緊縮財政を強いることが鉄則となっています。こうしたやり方に対して、批判をする人が必ず現れますが、結果的には、金融支援を実施したあとは、混乱が収束しています。
新興国への不安感も、これから大きく拡大していくことは、回避できそうな状況となってきました。
■リスクオンによる円安が続きそう
このような状況を背景に、金融市場全体がリスクオンの様相を呈してきました。こうした傾向は、来週(9月24日~)も継続すると考えています。
チャート的に言えば、米ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けして、ゆっくりではありますが、上昇傾向にあります。
【参考記事】
●トルコ政策金利発表などの不安乗り切れば米ドル/円は「雲」を上抜け、113円が視野に(9月13日、今井雅人)
(出所:Bloomberg)
前回の高値である、7月19日(木)の113.17円あたりが、当面のターゲットになってくるでしょう。
ユーロ/円は、7月17日(火)の高値、131.99円を上抜け、4月の高値133.49円近辺を伺うでしょう。一目均衡表でも、雲を完全に上に抜いてきました。
(出所:Bloomberg)
その他、英ポンド/円も、同様の動きをしています。
(出所:Bloomberg)
当面、リスクオンによる円安が、ジリジリ進行する展開が続くと、考えておきたいと思います。
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