■SBI FXトレードが【オプションFX】をリリース!
SBI FXトレードで、2018年10月1日(月)から、バニラオプション取引サービス【オプションFX】の提供が開始されました。
この【オプションFX】ではバニラオプションが取引できるのですが、そもそも「オプションって難しそうでよくわからない」という方も多いと思います。理解できれば、限定的な損失で無限大の利益を狙えたり、通常のFX取引に対する保険としても使えるのに…もったいない!
そこで、今回のザイスポFX!では、SBI FXトレードが新たにリリースした【オプションFX】について、オプションの用語やしくみに触れながら、わかりやすく紹介していきたいと思います。
■バニラオプションは「バニラ風味」の「追加サービス」じゃない!
まず、【オプションFX】で取引できるのはバニラオプションなのですが、早速意味がわかりにくいので「バニラ」と「オプション」に分けて考えてみます。
「バニラ」と聞けば、日本人の誰もが「バニラアイス」「バニラ風味」を思い浮かべますね。「バニラオプション」とは別名、「プレーン・バニラオプション」とか、「プレーンオプション」とも呼ばれ、トッピングのないバニラアイスクリームがその名前の由来となっています。つまり、バニラオプションとは「基本的な通常のオプション」のことをいいます。
となると、問題になるのが「オプション」です。「オプション」という言葉は「オプションで追加サービスを利用可能です」といった使い方をされますが、「追加サービスを利用するのか、しないのかを、自分の都合で選ぶ」といった意味が「オプション」という言葉にはあります。つまり、「オプション」には「選択する権利」という意味があるのです。
バニラオプションの「オプション」も、その「選択する権利」のこと。SBI FXトレードの【オプションFX】で何を選択する権利があるのかというと、「米ドル/円をある時期・ある価格で売買する権利」を行使するか、放棄するかを選択する権利があるのです。
ところで、ザイFX!の読者の方にはオプションと聞けば、バイナリーオプションを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、バイナリーオプションはバニラオプションではなく、「エキゾチックオプション」というものに分類されます。
【参考コンテンツ】
●人気のバイナリーオプションを徹底比較! 最短1分前まで購入できる商品も登場!
エキゾチックという言葉は、「エキゾチックな美女」といった使われ方をすることがよくありますが、オプション取引の世界の「エキゾチック」はそれとはちょっと違います。基本的な通常のオプションである「バニラオプション」に、特殊な条件を加えたものが「エキゾチックオプション」と呼ばれているのです。
米ドル/円のバニラオプション取引を行うSBI FXトレードの【オプションFX】と、「エキゾチックオプション」の一種であるバイナリーオプションの違いについて、詳しいことは記事後半で取り上げたいと思います。
【参考記事】
●「FX友の会 in 東京 2012」レポート(2) オプション取引の情報がFXに活かせる?
なお、通常のオプション取引で取り扱われるのは、米ドル/円だけに限りません。通貨や株式、株価指数、コモディティ、債券、金利など多種多様なものが対象となり、オプション取引の対象となる資産のことを「原資産」といいます。SBI FXトレードの【オプションFX】では、オプションサービスの第一弾として、「取り扱う原資産が米ドル/円のみ」というオプション取引が開始されました。
■権利が欲しいなら、それ相応のお金「プレミアム」が必要
その【オプションFX】では、「米ドル/円をある時期・ある価格で買う権利(または売る権利)」を取引するわけですが、売買する時期のことを「権利行使日」、売買する価格のことを「権利行使価格」といいます。
また、買う権利と売る権利にもそれぞれ名前がついており、買う権利のことを「コール・オプション」、売る権利のことを「プット・オプション」といいます。
ここで、米ドル/円の値上がりを見越した【オプションFX】の実例を見てみましょう。
SBI FXトレードが、「オプションFXの特徴」ページで紹介している取引の流れに沿っていくと、米ドル/円が、”今”、114.30円で推移していたとして、今後の値上がりを期待してコール・オプション(買う権利)が欲しいという気になったとします。

(出所:SBI FXトレード「オプションFXの特徴」ページ)
「権利が欲しい」となれば、それ相応のお金がかかります。オプション取引の世界では、コール・オプション(買う権利)やプット・オプション(売る権利)を保有するために支払うお金のことを「プレミアム」といいます。
一般的な日本人が「プレミアム」と聞くと、高級な商品などを連想すると思いますが、オプション取引の世界における「プレミアム」はそれとは違って、オプション購入金額(オプション料)という意味なんですね。ウォール街の人たちはわかりづらい言葉をよく使いたがりますよね!?
そんな、日本人がとっつきにくい、オプション取引の「プレミアム」ですが、トレーダーにとって良いこともあります。最初に「プレミアム」さえ支払ってしまえば、相場がいくら変動しても、追加の資金が必要ないのです。なぜそうなるのかは後述しますが、「最大損失額がプレミアムの支払い分に限定される」ということは、オプション取引の大きな魅力のひとつです。
そうなると、俄然気になってくるのが「プレミアム」の金額ですよね。オプション取引の「プレミアム」の金額は、「本質的価値」と「時間的価値」に左右されます。

(出所:SBI FXトレード「プレミアムの変動要因」ページ)
コール・オプションの「プレミアム」は、「本質的価値」と「時間的価値」の変化によって、このチャートのように推移するのですが、ぱっと見ただけで感覚的にわかるものではありません。また、「プレミアム」の算出には、非常に複雑な計算が必要なのですが、そこは【オプションFX】が自動的にやってくれるので、安心していただければと思います。
ただ、実際に「プレミアム」分のお金を支払うわけですから、「プレミアム」がどういう時に高くなったり、低くなったりするのか、「本質的価値」と「時間的価値」について、ざっくりとでも理解しておいたほうがよいと思います。
米ドル/円のコール・オプション(買う権利)について考えてみると、まず、「本質的価値」は、コール・オプション(買う権利)の権利行使価格より、米ドル/円の価格(原資産価格)が上昇するほど高くなり、その逆になると低くなります。

(出所:SBI FXトレード「プレミアムの変動要因」ページ)
次に「時間的価値」ですが、米ドル/円の値動きの幅が大きかったり、権利行使日までの期間が長いほど高くなり、その逆になると低くなります。

(出所:SBI FXトレード「プレミアムの変動要因」ページ)
「時間的価値」のイメージをざっくり説明するため、米ドル/円が100円付近で推移していたと仮定します。
このとき、1週間後に110円で買う権利と、1年後に110円で買う権利を比較したらどうでしょうか? 1週間で10円上がるのはしんどそうだけど、1年後のことは明確にはわからず、10円ぐらい上がっている可能性もあると思えるのではないでしょうか。このため、1週間後に110円で買う権利と1年後に110円で買う権利を比べると、1年後の権利の方が「時間的価値」が高いということになるのです。
これでも、まだちょっとわかりにくいかもしれません。そこでこのあとは、【オプションFX】の実例に改めて戻ってみたいと思います。
さて、コール・オプション(買う権利)の購入に必要な資金である「プレミアム」について、ある程度わかったうえで…
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