■米ドルが下がりにくい理由は?
ただ、この流れがずっと続くとは限りません。
それは、たしかに、米国の政策金利の段階的な利上げはいったん停止したものの、米国と他の先進国の金利差が縮小するということではないからです。
※日本の政策金利は短期政策金利の値を掲載
※FRB、各国の中央銀行のデータを基にザイFX!が作成
世界銀行、OECD(経済協力開発機構)、IMF(国際通貨基金)などが予想しているとおり、今年(2019年)は米国だけではなく、世界的に景気が減速することが予想されています。
そのため、他の先進国も今年(2019年)は、やや緩和的な金融政策を余儀なくされる可能性が高いです。つまり、米国と状況は、何も変わりません。
その中で、米国の政策金利が、現在の水準でしばらく据え置かれるということになれば、当然、現在の金利差が継続するということになります。
【参考記事】
●金利環境を見れば当面、米国が一人勝ち!? 本邦M&A活況で米ドル高・円安相場に!(2018年6月15日、今井雅人)
●貿易戦争を警戒してるのに米ドルはなぜ安定している? 米ドル/円は需給に注目!(2018年6月22日、今井雅人)
市場が他の要因で動いているときは、こういう金利差は無視されることもありますが、いったん材料難となってくると、この金利差が効いてきます。
つまり、米ドルは、なかなか下がりにくいということになってきます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■来週以降は米ドル安の反動も…!?
今回のFOMCが、市場に与える影響がどの程度になるのかは、今週(1月25日~)いっぱい見てみないとわかりませんが、仮に、この先あまり、さらなる米ドル安、金利低下、株高が継続していかないと、来週(2月4日~)以降その反動が出てくることも、頭に入れておく必要があるでしょう。
本日(1月31日)、最終日を迎えている米中閣僚級貿易交渉や明日(2月1日)の米雇用統計はもちろん、Brexitの行方なども見極めてから方向を決めていっても遅くはないと考えています。
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