■米国株が調整局面入りで、NYダウに大幅下落の可能性
今週の「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」でも紹介したとおり、上海総合指数は、すでにトップアウトして調整局面入り。これにより、米国株が上昇するも、NZドルを筆頭にオセアニア通貨は上値の重い展開が続いていました。
【参考記事】
●トランプ砲で米ドル/円は窓開けスタート! 米中交渉決裂なら米国株は総崩れに…!?(5月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
上海総合指数が下落しても米国株が続伸している間は、日経平均、米ドル/円とも堅調でした。
ところが、トランプ砲により、米国株が反落。
呼応して、米ドル/円、日経平均ともに大きく値を下げています。
今回、筆者が注目しているのがNYダウ。
昨年(2018年)後半は、NYダウが高値を更新するも、ナスダック総合指数が追随せず、結果、NYダウはブルトラップとなり、大幅反落。
【参考記事】
●米国株急落はヘッジファンドの思惑どおり! 米中間選挙のシナリオと相場の反応を予想(2018年11月1日、西原宏一)
今回の米国株は逆。
ナスダック総合指数が史上最高値を更新するも、NYダウは追随できず、結果、ナスダック総合指数は反落し、米国株は調整に入っています。
(出所:Bloomberg)
以下は、NYダウの週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
まず、2018年1月に2万6616ドルに到達して反落。
次が、2018年10月に2万6951ドルと高値を更新するも、ブルトラップとなり反落。
そして今月(5月)、2万6689ドルに到達後、反落しています。
つまり、このまま値を下げるとすれば、トリプルトップとなり、NYダウは調整局面入りし、大幅に値を下げる可能性が高まります。
(出所:Bloomberg)
■NYダウ続落なら、米ドル/円は105円方向へ
さらには、トランプ大統領の中国に対する強硬姿勢は、今後の日米通商交渉の難航も懸念されます。
トランプ大統領の対中国への強硬スタンスから考えれば、「日銀の金融政策は円安誘導だ」と糾弾される可能性も残ります。
結果、リスクオフ相場が到来し、当コラムで何度もピックアップしているNZドル/円を筆頭に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)、米ドル/円の下値は拡大中。
【参考記事】
●令和とともに、円高から円安にシフトか?平成の終焉間近。米ドル/円相場を振り返る(4月25日、西原宏一)
●GW相場が米ドル/円を買う好機になるか!?利下げ予想のあるNZドルは売り継続で!(4月18日、西原宏一)
●NZ中銀のハト派への転換は何を意味する? 混迷するブレグジットの行方が今後の鍵に(3月28日、西原宏一)
米ドル/円の前回の安値は、3月25日(月)の109.71円。
その下にストップロスも観測されているようですので、109.50円レベルがいったんのサポートになりそうです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ただ前述のように、米国株の戻りが弱く、NYダウが続落するようであれば、米ドル/円の下値余地は大幅に拡大。
株の下落とともに米ドル/円は値を下げ、105円方向にじり安となる可能性が高まります。
トランプ砲をきっかけに、調整に入った可能性の高い米国株と、下落余地が拡大している米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の動向に注目です。
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