■NZ中銀がハト派に舵を切ったワケとは?
みなさん、こんにちは
過去のコラムでも何度かご紹介させていただいていますが、豪州のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は徐々に緩和方向にシフト。
【参考記事】
●利上げ予測が霧散した豪ドルは反落開始! 呼応して、米ドル/円もじわじわと下落か(2月7日、西原宏一)
2月21日(木)には、豪州の大手銀行、ウェストパックが「RBAは8月と11月に利下げ予想」と発表したこともあり、RBAの年内の利下げ圧力が高まっています。
よって、注目が集まっていたのが、お隣の国のニュージーランドの金融政策。
その、ニュージーランドのRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金融政策決定会合が、3月27日(水)に開催されました。
声明において、RBNZのオア総裁は「次の金融政策は利下げの可能性が高い」と極めてハト派なスタンスに変更。
呼応して、8月7日(水)に開催される金融政策決定会合の利下げ確率は71.6%まで一気に上昇。
RBNZが、いきなり金融政策を緩和方向に舵を切ってきたのは、RBAの緩和スタンスが影響しています。以下は、豪ドル/NZドルの週足チャートです。

(出所:Bloomberg)
豪ドル/NZドルはRBAの緩和スタンスに呼応して、じり安で推移。
RBAの緩和スタンスに対して、RBNZが何もアクションを起こさなければ、豪ドル/NZドルは、パリティ(=1.0000NZドル)を目指して続落する可能性が高まっていました。
それに歯止めをかける意味で、今回、RBNZは緩和スタンスに変更してきたものと思われます。
RBNZの緩和スタンスにより、NZドルは主要通貨に対して軟調な動きになると想定しています。
■多くの中央銀行がハト派に変更! 景気後退は来る?
このところ、多くの中央銀行がハト派スタンスに変更する傾向があります。
前述のRBA、ECB(欧州中央銀行)、FRB(米連邦準備制度理事会)、そして、今回のRBNZ。
RBAやRBNZは自国の経済規模が大きいわけではないため、景気後退のサインに敏感に反応する傾向があります。
特にRBNZは、金融政策の変更に遅れを取ると、経済に致命的な影響を与えるため、そうしたサインに敏感に反応し過ぎる傾向もあります。
今回、RBNZが金融政策をハト派へと変更したことが、炭鉱のカナリアとなり、リスクオフマーケットに移行するのか?それとも、杞憂で終わるのか?は、Brexit(英国のEU離脱)の行方が鍵を握っていると想定しています。
■混迷を極めるブレグジットの行方が鍵を握ることに…
昨年(2018年)後半は、株が主導する形で「株安、円高」、つまり、リスクオフ相場が展開されました。
今回の懸念は、混迷を極めるブレグジット(英国のEU離脱)の行方。
【参考記事】
●ドイツ発の世界景気減速懸念から株価急落! 米国債は「逆イールド」で景気後退の前兆か(3月25日、西原宏一&大橋ひろこ)
3月27日(水)の英議会において、EU(欧州連合)離脱協定案の代替策を探る、Indicative votes(示唆的投票)(※)では、いずれの離脱代案も過半数の支持を得られず。
メイ首相の離脱案も、北アイルランドの地域政党である民主統一党(DUP)の支持を得られず。
(※編集部注:「示唆的投票」とは、法的拘束力を持たない投票のこと)
結果、1.3270ドルまで反発していた英ポンド/米ドルは、あっさり100pips超下落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 1時間足)
これで「合意なき離脱の可能性」も高まりますが、解散総選挙の可能性も高まります。
ヘッジファンドの友人の間では、フィンテック系の株の買い戻しが徐々に活発化しており、その意味においてはリスクオフといった雰囲気ではありません。
そのため、「合意なき離脱の可能性」さえ払拭できれば、「株高、円安」に流れが回帰する公算が高いのですが、ブレグジットの行方が混沌とする中では、為替相場も、なかなトレンドが明確になりません。
4月に向けての注目は、まず、RBNZがハト派に転じたため、下落余地が拡大しているNZドル/米ドル。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 日足)
そして、米ドル/円に多大な影響を及ぼすことの多い、ブレグジットの動向に、引き続き注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。















![ゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル)[FXTF MT4]](/mwimgs/c/d/-/img_cd98e6e3c5536d82df488524d85d929d47416.gif)








株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)