■強まる米利下げ期待、失望に注意!
今週6月18日(火)、6月19日(水)はFOMC(米連邦公開市場委員会)ですね。
6月19日(水)発表の政策金利は据え置き予想ですが、7月利下げに向けた地ならしがあるのかどうか。注目度は非常に高いですね。
【参考記事】
●6月に米利下げなら大きなサプライズ! 米ドル/円は109円台乗せで売っていいかも(6月10日、西原宏一&大橋ひろこ)
ブラックアウト(※)期間に入る直前、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「景気拡大を維持するために適切に行動する」と発言。
ブレイナードFRB理事も「経済拡大を持続するために政策を調整する用意がある」と話しています。
今回はともかく、7月利下げは既定路線ですから、この路線を踏襲するようなFOMCになるのでしょう。
(※編集部注:「ブラックアウト」とは、FOMC直前の一定期間において、当局関係者がコメントを差し控える期間のことをいう)

ブラックアウト期間に入る直前、「景気拡大を維持するために適切に行動する」と発言したパウエルFRB議長。7月利下げという既定路線を踏襲するようなFOMCになるのだろうか… (C)Bloomberg/Getty Images News
市場はハト派路線を織り込んでいるようですね。
気になるのは、市場の利下げ期待が強過ぎること。
昨年末時点では「2019年は3回の利上げ」。それが今や「年内3回の利下げ」を予想する人が増えています。
さらに先物市場を見ると、来年(2020年)4月の米長期金利は1.54%。そこまで下げるには、あと4回の利下げが必要です。
米中貿易戦争などの材料はあるものの、そこまで実体が激変したわけではありません。
これだけ利下げが織り込まれていると、今回のFOMCは失望気味になる可能性があります。
期待ほどハト派ではなかった場合、米ドルが買われる可能性はありませんか?
その場合、米ドル安は一服するかもしれませんが、米金利の上昇から株安が進み、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が下落するイメージですね。
■ホルムズ海峡で日本タンカーが攻撃された
先週(6月10日~)、ホルムズ海峡付近で日本などのタンカー2隻が攻撃を受けました。ホルムズ海峡は原油輸送の要衝。ヒヤリとするニュースでした。
原油市場は上昇しましたが、勢いが続いていません。現在の50ドル台前半は今年(2019年)前半レンジの下限。ここで支えられずに下落するようだと、株式市場にはネガティブですね。
一方、為替市場では「有事の米ドル買い」の影響もあったのか、米ドル高の反応も見られました。米ドルも弱いけど、他通貨はもっと弱い。

(出所:Bloomberg)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
香港のデモも大規模化していますし、短期的に米ドル高・円高ということならクロス円が下がりやすくなりますね。
【参考記事】
●香港のデモ拡大が新たな不安要素に! 米ドル/円は104円台に向けての下落過程(6月13日、西原宏一)
(次ページでは、ゴールドやビットコイン、今週の見通しの話題が…)
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