■方向性を握るG20と米中首脳会談
FRB、ECB、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が緩和に向かっていることもあって、株式市場にとっては良い状況となっています。米中首脳会談が開催されることもあって、米国株は高値圏まで上昇してきています。

(出所:Bloomberg)
各国が緩和姿勢のため、「このままリスクオンが続き、為替市場では米ドル安が続く」と考えたいところですが、1番、重要なイベントであるG20、そして、米中首脳会談の行方によって、大きく方向性が変わることになります。
【参考記事】
●ハト派なFOMCで上昇したNYダウは岐路に! G20で米中合意!? ドル/円108円台で戻り売り(6月24日、西原宏一&大橋ひろこ)
米中首脳会談で、通商協議が合意するのか、決裂するのか、歩み寄りがあるのか、どれがあっても不思議ではない状況です。
可能性として高いと思われるのは、「ある程度の歩み寄り」ではないかと思います。ロス米商務長官も、「合意はできるだろうが、G20の間ではないだろう」と発言しています。
合意までは、まだ時間が必要だと思いますので、今回は、協議は継続という形で終わるのではないかと思います。
■交渉決裂なら米ドル/円は105円!?
トランプ大統領は、関税第4弾も即時に発動すると発言していましたが、これも延期されるか、発動されたとしても、軽微なものになるのではないかと思います。
公聴会でも、関税第4弾の発動に対する経済界からの反発は強く、トランプ大統領でも、安易に発動するのは難しいのではないかと思います。
そうなると、ややリスクオンの状況が続くのではないかと思います。
可能性としては、かなり低いと思いますが、米中が合意したような場合は、リスクオンの動きが強まり、株式市場は上昇、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇することになります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
そうなると、来月(7月)のFOMCで利下げが実施される可能性は低下することになり、その面からは、リスクオンの動きは弱くなりますが、合意の方を市場は好感すると思いますので、クロス円は上昇しやすいのではないかと思います。
交渉が決裂するような場合は、リスク回避から株式市場は下落、クロス円も下落することになり、米ドル/円も下落が再開することになると思います。
そのときは、105円を目指す動きも出てくると思います。

(出所:TradingView)
■イベント終えるまでは様子見戦略で
今週(6月24日~)は、パウエルFRB議長の講演や米耐久財受注などの重要経済指標の発表もありますが、G20と米中首脳会談が最大の注目で、他のイベントは相場の動きに影響しないと思います。

今週の注目イベントは、なんと言ってもG20と米中首脳会談。それ以外の材料は相場の動きに影響しないというのが、バカラ村氏の考え (C)Bloomberg/Getty Images
米中首脳会談次第で、為替市場はどちらにも動く可能性があるため、このイベントが終わるまで、トレードは控える方が良いのではないかと考えています。
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