■先週は米ドル安の1週間。でも、この流れは続かない!?
先週(6月17日~)は、18日(火)~19日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、早期利下げの可能性が示されたことを受けて、金利市場では米ドル金利の低下、為替市場では全体的に米ドル安が進行した1週間でした。
【参考記事】
●FOMC後の米ドル安は一時的!? 米ドル/円107円割れは回避か。注目は米中会談へ!(6月20日、今井雅人)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
米国の10年物国債の金利(=長期金利)も、20日(木)に一時、1.97%台まで低下しましたが、その後も、あまり反発することもなく、2%の水準近辺でとどまっています。
長期金利は一時期、3.2%程度まで上昇していたことを考えると、相当な金利低下をしてきたということがわかります。
(出所:Bloomberg)
ただ、こうした傾向は、すでに市場は織り込んでいます。
また、他の国も、米国に追随して金融緩和を実行していくでしょうから、これ以上、この材料で米ドル安が進行することはないと思っています。
■投機筋の米ドルポジションは、ほぼフラットに
先週末(6月21日)に発表された、IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(6月18日時点)を見ると、投機筋の円とユーロに対する米ドルの買い越し(=米ドルロング)がともに、かなり減少していることがわかります。
※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
おそらく、今週末(6月28日)に発表される数字(6月25日時点)は、円・ユーロともに、米ドルの買い越しが、ほぼない状態になっているのではないかと、私は予想しています。
そうであれば益々、今後、米ドル安が進行する圧力は、弱まってくるのではないかと考えています。
■いよいよG20。米中首脳会談はどうなる?
そんな中、今週(6月24日~)は、いよいよ注目のG20(20か国・地域)サミットが、大阪で開催されます(28日~29日)。
現在、米国を中心に、世界的に統一感がまったくなくなってきている中でのG20サミットですので、議長国の日本も、とても難しい舵取りを求められています。
廃プラスチックなどへの対策では、一致できるとは思いますが、肝心の貿易問題や、保護主義に関しては、残念ながら、玉虫色の結果になることは、ほぼ確実です。
このような状況であるので、G20サミット自体は、それほど金融市場で注目されているわけではありませんが、今回、注目度が高いわけは、サミットに合わせて行われる、米中首脳会談があるからです。会談は、29日(土)の11時30分から予定されています。
【参考記事】
●リスクオフの円高はナンセンス! 中国中央TVの映画は米中首脳会談実施のサイン!?(6月21日、陳満咲杜)
G20の場で開催されることが決まった米中首脳会談は、6月29日(土)11時30分から行われる予定。貿易交渉に進展が見られるか、それとも決裂するか、今井氏は、その一点に市場の注目が集中すると指摘 (C)Bloomberg/Getty Images
注目点は、非常に単純です…
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