■暗黙の了解なんてお構いなしのトランプ大統領
トランプ米大統領が先日(6月11日)、「ユーロは米ドルに対して不当に安く誘導されている」といった主旨の内容を、ツイッターに書き込みました。
This is because the Euro and other currencies are devalued against the dollar, putting the U.S. at a big disadvantage. The Fed Interest rate way too high, added to ridiculous quantitative tightening! They don’t have a clue! https://t.co/0CpnUzJqB9
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2019年6月11日
これまでの国際社会では、所管している大臣(米国では財務長官)以外の人は、為替相場について、特に、水準に関してはコメントをしないというのが、暗黙の了解になっていました。
しかし、トランプ米大統領は、そんなことはお構いなしです。
■中国批判には一定の合理性。でも、ユーロ安は結果論
中国などは、実際、自国の為替市場に介入をしたりして、水準を調整しているので、政府が中国人民元安に誘導していると批判をすることは、一定の合理性はあります。
(出所:TradingView)
しかし、ユーロに関しては、そういうことは一切せず、市場にすべて委ねています。
ECB(欧州中央銀行)が金利を低く誘導することで、結果としてユーロ安になることはあるかもしれませんが、金融政策は景気の状況を考慮して決めているわけで、通貨安になるのは結果論です。
(出所:TradingView)
■日本に対する円安誘導批判はある…?
同じことは、日本についても言えます。
現在、日銀は異次元の金融緩和を行っていますが、それは物価が上がらないので、こういう政策を取っているわけで、円安にするのが目的ではありません。
ひょっとしたら、日米貿易交渉の過程において、日本に対しても、日本は意図的に円安に誘導していると言い出しかねません。
【参考記事】
●米ドル高でも米ドル/円は、なぜ上昇しない? 米中貿易交渉に中国が秘密兵器を投入!?(5月30日、今井雅人)
今回、ユーロはそれほど反応していませんが、円相場は米国の政治の影響を強く受けてきたので、もし、トランプ米大統領がそんな発言をしたら、かなり円高になるのではないかと思っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
仮定の話ではありますが、一応、頭の体操はしておきたいと思います。
さて、足元の金融市場に…
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