■防衛ラインは「日経平均2万円、米ドル/円105円」
追加緩和で多少は円安に向かうかもしれませんが、今の米ドル/円は米10年債利回りとの相関性が強い。

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
金利先物市場が1年後、1.25%程度までの利下げを織り込んでいる以上、米ドル/円の上値は重たいのでしょう。
ただ、105.50円の水準では政府・日銀の意向を受けたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの「忖度買い」が入っているようです。
「日経平均2万円・米ドル/円105円」が防衛ラインではないでしょうか。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
日経平均の2万円割れレベルはPBR(株価純資産倍率)1倍水準でもありますから、自然にサポートされやすい水準でもありますね。
昨年(2018年)12月の世界同時株安でも、日経平均はPBR1倍水準で下げ止まりました。今回も意識はされるのでしょうが、2万円割れは時間の問題ではないでしょうか。
日経平均がPBR1倍を割り込んで推移していた時期もありますからね。
■英ポンドの構図は「投機筋vs日本の個人」
「株安・債券高・ビットコイン高・米ドル高・円高」のリスクオフ環境はまだ続くのでしょう。
そうなると動きやすいのはクロス円。とくに「ノーディール・ブレグジット、利下げ・財政出動」と3つの材料がそろいそうな英ポンドの下落余地は大きいと思います。
【参考記事】
●ボリス・ジョンソン英首相の「合意なき離脱」発言続く…。ポンド/円は中期的に120円へ(8月1日、西原宏一)
IMM(国際通貨先物市場)の通貨先物ポジションでは、投機筋の英ポンド売りが空前の規模に積み上がっています。
店頭FX会社やくりっく365のポジションを見ると、買い向かっているのは日本の個人投資家。構図は「世界の投機筋vs日本の個人投資家」ですね。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
この2年ほど、為替市場では低ボラティリティ、レンジ相場が続きました。
レンジ相場では逆張りが有効ですから、急落する英ポンドを買いたくなる気持ちはわかります。ただ、この1カ月で見ると最強通貨は円、最弱通貨は英ポンド。
つまり、英ポンド/円のショートがもっとも効率的でした。英ポンドは先週(8月5日~)来、年初来安値を更新中です。3つの材料がそろえば、1年で50円落ちた「2016年の再来」となる可能性もある。過去2年とは相場が変わっている可能性が高く、安易な逆張りは危ういですね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 週足)
英ポンド/円のターゲットはどのくらいですか?
短期的には125円、中期的には121円方向だと考えています。英ポンド/円については売りを継続です。
米ドル/円はいったん105円付近でサポートされやすいでしょうが、上値は107円程度でしょう。105円手前でいったん利食いを入れ、戻りを再び売っていきたいと思います。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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