■お盆の円高リスクに要注意!
今週(8月12日~)はお盆。流動性の薄くなる時期で、円高リスクを警戒する声も多いですね。
クリスマスやゴールデンウィークなども流動性が低下しますが、個人的に円高リスクが高まるイメージが強いのはお盆。
米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が落ちると急な動きになることが多いので要注意ですね。警戒したいのは8月15日(木)です。
米国債の償還が集中すると言われる日ですね。現在は8月に集中することもなくなり、実際にはそれほどの金額ではないとも言われますが、意識されやすいのでしょうか。
アノマリーとして意識する人が多いため、仕掛けに利用されることがあるのでしょう。
■トランプ大統領「1%の利下げを望む」
週末にはトランプ米大統領から「1%かそれを少し超える利下げを望んでいる」との発言が出ました。
現職の大統領が金融政策について、しかも具体的な水準にまで言及するとは驚きですし、ナバロ米大統領補佐まで「年末までに0.75%か1%の利下げを」と発言しています。

トランプ大統領は、1%かそれを少し超える利下げを望んでいると発言。現職の大統領が金融政策について、具体的な水準にまで言及するのは驚きだという (C) Chip Somodevilla/Getty Images News
トランプは以前から米ドル高を批判していましたから、「またか」という感じですね。
一方で、トランプさんは米ドル安誘導については「その必要はない」と発言しています。
市場関係者の間で米ドル売り介入がささやかれていますが、利下げしたとはいえアメリカは相対的に高金利。介入があるとしても、利下げが終わってから、でしょうね。
そうなのでしょうし、介入を考えているとしても「やる!」とは言わないでしょうからね。
■NZのサプライズ利下げ。日銀も9月に追加緩和?
先週(8月5日~)はニュージーランドの中央銀行が利下げしました。25bp(0.25%)利下げのコンセンサスに対して、発表されたのは50bp(0.5%)の利下げ。
これで豪ドルと同水準に並んだことになります。25bpの利下げでは豪ドルよりも高金利で買われやすくなってしまう、通貨安誘導のためには豪ドルと同水準まで引き下げよう、ということでしょうか。
【参考記事】
●NZ中銀が0.50%大幅利下げのサプライズ! ドル/円は中期的に100円への流れ変わらず(8月8日、西原宏一)

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!が作成)
RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])のオア総裁は、EU(欧州連合)や日本のマイナス金利を引き合いに「われわれがマイナス金利を使わざるを得なくなる可能性は間違いなくあり得る」とも発言しています。
政策金利がまだ1%の段階でマイナス金利に言及することは異常。それだけ通貨高(NZドル高)に対する危機感が強いのでしょう。
そのわりにNZドルは落ちませんね。
英ポンド下落の影響だと考えています。英ポンドクロス(英ポンドと米ドル以外の通貨との通貨ペア)全般が売られているため、対英ポンドでNZドルが買われ、NZドルの下落が緩慢になっているのでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/NZドル 1時間足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 1時間足)
それにしても、マイナス金利にまで踏み込んで強い姿勢を示したオア総裁の発言は正しいですよね。
パウエルさんもFOMC(米連邦公開市場委員会)後に「(今回の利下げは」緩和サイクルの開始を意味しない」なんて言わず、オア総裁くらいの強い意思を示していれば株価が落ちなかったのかもしれません。
通貨安競争が拡大する中、日銀も9月に追加緩和を行なうのでは?との観測記事がブルームバーグに掲載されましたね。
(次ページでは、日経平均と米ドル/円の防衛ラインの話題が…)
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