■米中の対立深刻化で、金融市場は大混乱
トランプ米大統領が「9月1日(日)から中国に対して追加関税をかける」と発表してから、約1週間が経ちました。
...during the talks the U.S. will start, on September 1st, putting a small additional Tariff of 10% on the remaining 300 Billion Dollars of goods and products coming from China into our Country. This does not include the 250 Billion Dollars already Tariffed at 25%...
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) August 1, 2019
米国のこうした措置に対して、中国側も米国からの農産物購入を一時停止するという、対抗措置に出ています。
さらに、米国は中国を「為替操作国」として認定し、今後、IMF(国際通貨基金)に対して、中国へ圧力をかけるよう働きかけていくことを、明らかにしています。
益々、米中の対立が深刻化する中、金融市場も大混乱に陥っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■FOMCは9月にも追加利下げか!?
そこで、この間の金融市場の反応について一応、整理をしておきます。
まず、今回の米中貿易戦争の深刻化を受けて、今後、世界経済が全体的に落ち込むという懸念が広がったというのがベースにあります。そして、それがさまざまな金融市場に連鎖反応を起しています。
米国はトランプショックの直前に、FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを決定したばかりでしたが、この事態を受けて、市場金利はさらに低下しています。米国の10年物国債利回りは一時、1.5%台まで低下しました。
(出所:Bloomberg)
ここ2~3年で一時、3.2%台まで上昇していたことを考えると、半分になってしまいました。
短期金利の先物も、9月の利下げを織り込んできています。FOMCも、この米中貿易交渉がこのままの状態であれば、9月に利下げに踏み切らざるを得ないでしょう。
【参考記事】
●米ドル/円波乱の最大の要因は?トランプ氏の対中ツイートは「きっかけ」にすぎない!(8月2日、陳満咲杜)
■典型的な「リスクオフの円買い」が進行
株式市場も世界経済の悪化を懸念して、米国を中心に世界同時安の動きとなりました。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
このような状態になると、「リスクオフ」の流れが本格化するため、為替市場では債権国である日本の円が買われるという、典型的なパターンになっています。
米ドル/円も、105円台まで一気に米ドル安・円高が進みましたが、その他の通貨に対しても円全面高という流れになっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
それと同時に、米ドル金利が低下したということで、米ドル安も全体的に進んでいますが、円高のほうが際立っています。
さて、米中は9月初旬に再び…
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