先週のニューヨーククローズ後にトランプ大統領が対中関税措置を公表したことで、その分の織り込みから週明けのマーケットはスタートした。米中関係の悪化が原因で金曜日には大きく下げていたのだから、もちろんリスク回避の方向で動くことが見込まれた。それがどこまでの深押しなのかわからない。とりあえずリスク性の高いものは手放しておくに限る。
為替相場ではドル円は104円台に突入して、大きなマドを空けてスタートした。早朝のグローベックスでも米国株は大幅に値を下げて、日経先物は2万円の大台を簡単に割り込んで19845円まで安値を拡げた。ドル円の下値のメドを模索する内、104.50をも下回ってきた。
私も何回か104円台で突っ込み売りしたり、スケベロングにしてみたりして参戦したのだが、あまりうまい具合に取れなかった。じっくりとポジションを持てないほど、不安定なレベルだったからだ。すぐに逃げないと持っていかれるという要注意態勢だったので、余計にポジションの保有期間は短くなる。
しかし東京オープンとともに日本人のリスクテークが開始された。日本人は買いからしか入らないと見られているので、朝の9時以降は下げが鈍るもの。それで日本株も反発に勢いが出てきた。東京時間ではやはり日本株は陽線を形成して終了。ドル円も下押しすることはなく、105円台に戻した後はまったく添い目を作らずに105円台の後半へ。
勝負は夕方からだと思われていたところ、フランスにいるはずのトランプ大統領が「協議の再開の要請が中国からあった」と発言した。これが協議前進の思惑を高め、それが市場のリスクテークを加速させた。
ニューヨークオープン前にグローベックスで米国株は大きく反発。ニューヨークのコア時間では目立った動きはなかったと言えるが、ドル円は安心感から買いを集め、ショートカバーも巻き込んで106円台まで値を戻してきている。
トランプ大統領のちょっとした言葉で振らされるマーケット状況が続いているが、これはいましばらく続きそうだ。昨日はドル金利が上がってきて終了したのだが、再び低下しだしたら、相場の値動きに要警戒となる。
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