■米中貿易戦争と米ドル/円、日経平均の相関をチェック
ここで、これまでの米中貿易戦争と米ドル/円の相関を確認してみます。
以下は、友人であるFXライターの高城泰さんが作成した「米中貿易戦争と米ドル/円の相関」です。
(出所:高城泰氏のツイッターより)
米中貿易戦争が好転すると円安になり、悪化すると急激に円高になるのがコンセンサであることは変わらず。
注目すべきは、そのサイクル。
昨年(2018年)から続いている米中貿易協議ですが、米国による中国への「制裁強化→一時停戦/協議再開→物別れ→制裁強化」の繰り返しとなっています。
このサイクルの中、為替市場でもリスクオン=円安、リスクオフ=円高が目まぐるしく繰り返されています。
次のチャートは、米中貿易戦争と日経平均。
(出所:高城泰氏のツイッターより)
こちらもリスクオンとリスクオフが切り替わる流れで、株高、円安が目まぐるしく繰り返されています。
■米中が合意に至るのは難しく、リスクオフ相場に…
結果、過去1年間は、米国による中国への「制裁強化→一時停戦/協議再開→物別れ→制裁強化」という単なる繰り返しになっているため、マーケットも「株高・円安」と「株安・円高」が交互に繰り返され、レンジを抜けきれていません。
見方を変えれば、今回の米中閣僚級貿易協議で明確な結論が出れば、マーケットも前述のサイクルから抜け出し、方向性が明確となる可能性が高まります。
米中閣僚級貿易協議で明確な結論が出るかに注目。写真は2019年6月に開催された大阪G20でトランプ大統領と習近平国家主席が会談した時のもの (C)Visual China Group/Getty Images
個人的には、米中が合意に至るのは難しいと想定しており、マーケットはリスクオフに傾くのではないかと憶測しています。
ただ、トランプ大統領は、意外に「部分合意」にも応じる柔軟性を併せ持っていると考えているため、あまり決めつけず、今回の米中閣僚級貿易協議の行方に注目したいところ。
今週(10月7日~)から月末に向けて、米中閣僚級貿易協議やEU(欧州連合)サミット、10月11日(金)の日経平均のSQ(※)というイベントや、本邦の3連休を控え、マーケットのボラティリティが徐々に高まってきました。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)
米ドル/円のボラティリティが急回復する可能性を秘めている、今回の米中閣僚級貿易協議の行方に注目です。
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