■「合意あるEU離脱」期待で、英ポンド急騰
こうした報道を受けて、英ポンド/米ドルは一時、1.2853ドルまで、英ポンド/円は139.73円まで急騰しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 4時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 4時間足)
英ポンド/米ドルの1.2838ドルは、直近の高値と安値の61.8%と戻しとなり、1.2850ドルレベルでいったん上値を抑えられた形になります。
(出所:Bloomberg)
この後、DUP党首フォスター氏が承認の報道を否定したため、英ポンドは一時的に値を崩すも、フォスター党首は英国のEU離脱交渉は継続とコメントしたことから、英ポンド/米ドルは、依然、底堅く推移。
本稿執筆時点では、英ポンド/米ドルは1.2825ドルレベルで底堅く推移しています。
■今週末にかけてブレグジットの大きなヤマ場
長らく紆余曲折してきたブレグジット問題ですが、今週(10月14日~)末にかけてイベントが目白押しで、佳境に入っています。
(1)本日(10月17日)から始まるEUサミット(17日~18日)
これが、英国のEU離脱前に行われる最後のEUサミットとなります。
英国とEUは、この日までに離脱協定に合意することを目指して議論を活発化。
ここで合意され、かつ英国議会で合意されれば、10月31日(木)に「合意あるEU離脱」が可能となります。
【参考記事】
●合意ある英国のEU離脱は実現するのか? 英ポンド/米ドルの押し目買いに妙味アリ!(10月14日、西原宏一&大橋ひろこ)
(2)10月19日(土):英国議会でのEU離脱協定あるいは合意なしブレグジットの承認期限
仮にどちらも承認されなかった場合、ジョンソン首相は離脱延期をEUに要請することが義務付けられています。
(3)10月31日(木):英国のEU離脱期限
現在の法律では、合意の有無に関わらず、現地時間午後11時(日本時間11月1日午前8時)にEUを離脱することになっています。
繰り返しになりますが、長期間、紆余曲折してきたブレグジット問題が、今週(10月14日~)末、大きなヤマ場を迎えます。
今月(10月)10日までは「合意なきEU離脱」懸念で、極めて安いレベルで推移していた英ポンドですが、「合意あるEU離脱」の可能性が高まる中、英ポンド/米ドルは1.3000ドル、英ポンド/円は140円に迫るところまで急騰。
実際に、合意あるEU離脱が決まれば、もう一段上値を拡大する可能性も。逆に、DUPの反対により、合意されなければ、英ポンドは再び値を崩すことになります。
ブレグジット問題がヤマ場を迎え、動意づいてきた英ポンド/米ドルの動向に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)