■トルコ中銀、10月利下げの可能性は低いが、12月は…?
トルコ軍事作戦の停止発表直後に18円台後半まで上昇していたトルコリラ/円は、その後も、おおむね同じ水準を維持しています。

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シリア情勢に加え、今週(10月21日~)、24日(木)に予定されているトルコ中銀の政策会合への警戒感が強いです。
トルコ中銀は、7月と9月の政策会合で合わせて7.50%の利下げを行いましたが、インフレ率が1ケタ台まで落ちたことを受け、10月の政策会合でも利下げが行われるのではないかとの予想が多くなりました。
【参考記事】
●3.25%の利下げ…だけどトルコリラ上昇!? 原油急騰によるトルコリラへの影響は?(9月18日、エミン・ユルマズ)
●トルコ中銀が4.25%の大幅利下げを実施! でも、トルコリラが上昇しているワケとは?(7月31日、エミン・ユルマズ)
一方で、トルコ中銀の年内の利下げは終わったとの見方も聞こえるようになりました。
その根拠は、シリアの情勢における不透明が続いている環境で、トルコ中銀も簡単に利下げに踏み切れないとの見方です。
個人的には、今週(10月21日~)の政策会合は据え置きの可能性が高いと考えます。トルコ中銀と国営銀行は軍事作戦の開始以来、直接の為替介入を繰り返してトルコリラを買い支えてきました。
先週(10月14日~)は、1日当たり20億ドルを超える為替介入が続きました。トルコは、貴重な外貨資源をこのペースで使い続けることはできませんので、こうした環境でトルコリラの売り圧力を増やすような利下げの可能性は低いと考えます。
一方で、シリア情勢が落ち着けば12月会合での利下げの可能性は残っています。

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
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