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エミン・ユルマズの「トルコリラ相場の明日は天国か? 地獄か?」

トルコ、米露と合意で軍事作戦停止!
トルコ中銀の年内利下げはあるのか?

2019年10月23日(水)12:50公開 (2019年10月23日(水)12:50更新)
エミン・ユルマズ

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■トルコ軍事作戦「平和の泉」とは何なのか?

 トルコが10月9日(水)に「平和の泉」という名の軍事作戦を開始してから、世界の注目はシリアに集まりました。

【参考記事】
EU主要国と米国がトルコ制裁を実施! でも、トルコリラ/円が暴落しないワケは?(10月16日、エミン・ユルマズ)
シリア北部から米軍撤収で戦争リスク警戒! トルコリラ/円は18円台前半へ下落…(10月9日、エミン・ユルマズ)

 日本の投資家にとっては非常にわかりづらいと思いますので、簡単に要約しますと、軍事作戦の目的はトルコとシリアの国境沿いからクルド勢力を掃討し、安全地帯を設置することです。

 トルコ政府は作戦開始以来、2200キロ平方のエリアが解放され、35万人のシリア難民は地域に戻ったと主張しています。トルコは、最終的にトルコ国内いる300万人のシリア難民をこの安全地帯に移住させたいとの考えでした。

■ロシアとの合意はトルコ有利に見えるが、落とし穴も…

 一方で、トルコの軍事作戦は国際社会から強い批判にあいました。シリアから米軍撤退を決め、トルコにゴーサインを出したのはトランプ政権でしたが、そのトランプ政権に対する批判も強かったため、トランプ大統領はトルコに対して軽い制裁を公表しました。

 しかし、米議会はそれに満足せず、重い内容の制裁案を準備したため、ペンス副大統領とポンペオ長官は直接トルコを訪問し、10月17日(木)にエルドアン大統領と会談しました。結果的に、トルコ政府と米国は軍事作戦の5日間の停止に合意したわけです。

 これでトルコは制裁を回避できたわけですが、この5日間でクルド勢力はトルコが主張している安全地帯から撤退しなければならないというのが条件でした。

 そして、その期限はトルコ時間の昨夜(10月22日)22時に終了しました。シリア情勢が緊迫しているため、エルドアン大統領は日本訪問を中止し、昨日(10月22日)、ロシアのソチを訪問していて、プーチン大統領と会談を行いました。

 米軍の撤退を受け、現在、シリアでもっとも影響力がある大国はロシアであり、トルコの安全地帯設置作戦もロシアの協力なしでは成功できなかったからです。最終的に、トルコはロシアとも合意に達しました

エルドアン大統領は、米国のペンス副大統領、ロシアのプーチン大統領とそれぞれ会談。トルコによるクルド勢力の掃討作戦「平和の泉」を停止することに (C)Anadolu Agency/Getty Images

エルドアン大統領は、シリア情勢が緊迫しているため日本訪問を中止。米国のペンス副大統領、ロシアのプーチン大統領とそれぞれ会談し、クルド勢力の掃討作戦「平和の泉」を停止することを決めた (C)Anadolu Agency/Getty Images

 簡単にまとめると、クルド勢力は北部から撤退し、トルコ軍が現在、駐在している地域を除く国境地帯は、トルコとロシアが共同でパトロールするという内容です。クルド勢力の撤退には、さらに150時間の期間が設けられました。

 一見、トルコにとって有利に見える合意ですが、実は大きな落とし穴もあります。

 この合意によれば、トルコ国内のシリア難民は自ら希望しない限り北部に移住させられないとなりました。つまり、300万人を超えるシリア難民のほとんどは、そのまま永遠にトルコに残ることになりました

■トルコ中銀、10月利下げの可能性は低いが、12月は…?

 トルコ軍事作戦の停止発表直後に18円台後半まで上昇していたトルコリラ/円は、その後も、おおむね同じ水準を維持しています。

トルコリラ/円 4時間足
トルコリラ/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足

 シリア情勢に加え、今週(10月21日~)、24日(木)に予定されているトルコ中銀の政策会合への警戒感が強いです。

 トルコ中銀は、7月と9月の政策会合で合わせて7.50%の利下げを行いましたが、インフレ率が1ケタ台まで落ちたことを受け、10月の政策会合でも利下げが行われるのではないかとの予想が多くなりました

【参考記事】
3.25%の利下げ…だけどトルコリラ上昇!? 原油急騰によるトルコリラへの影響は?(9月18日、エミン・ユルマズ)
トルコ中銀が4.25%の大幅利下げを実施! でも、トルコリラが上昇しているワケとは?(7月31日、エミン・ユルマズ)

 一方で、トルコ中銀の年内の利下げは終わったとの見方も聞こえるようになりました。

 その根拠は、シリアの情勢における不透明が続いている環境で、トルコ中銀も簡単に利下げに踏み切れないとの見方です。

 個人的には、今週(10月21日~)の政策会合は据え置きの可能性が高いと考えます。トルコ中銀と国営銀行は軍事作戦の開始以来、直接の為替介入を繰り返してトルコリラを買い支えてきました。

 先週(10月14日~)は、1日当たり20億ドルを超える為替介入が続きました。トルコは、貴重な外貨資源をこのペースで使い続けることはできませんので、こうした環境でトルコリラの売り圧力を増やすような利下げの可能性は低いと考えます。

 一方で、シリア情勢が落ち着けば12月会合での利下げの可能性は残っています

トルコ政策金利

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)


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