■直近の保ち合いはさらなる上昇前のスピード調整
前回のコラムで提示した「逆三尊(※)」のフォーメーションの成立に加え、いくつのポイントを押さえると、やはり米ドルの上値余地を狙いたい。直近の保ち合いは、さらなる上昇の前のスピード調整と思えばわかりやすいと思うが、細かいテクニカル上のポイントは、10月23日(水)のレポートをもって提示したい。本文は以下のとおり。
(※編集部注:「逆三尊型」はチャートのパターンの1つで、「三尊型」と反対に、底を示す典型的な形とされている)
【参考記事】
●まだ早いけど、言っちゃった! 米ドル/円日足に「逆三尊」の可能性(2019年10月11日、陳満咲杜)
9月高値のブレイクをもって新たな上昇段階に入ったことは既述の通り、10月1日大陰線を再度否定したことで強気変動の証左であったことを再度確認しておきたい。同確認、目先のサポートゾーンによって証左され、概ね10月1日罫線の「上ひげ」の部分に相当することも重要なポイント。
上のチャートで示したように、10月1日(黄矢印)罫線の「上ひげ」の部分、ブレイクされる前では抵抗ゾーンだったが、ブレイクされた後一転してサポートゾーンと化し、10月15日の大陽線(赤矢印)によって再度証明されたわけ。前者は「スパイクハイ」であれば、後者は「スパイクロー」のサインを点灯、前記ゾーンの役割の転換を示唆。
従って、10月17日の陰線(緑矢印)の弱気「リバーサル」や「アウトサイド」のサインあっても、目先までの下落余地が限定され、また15日の安値を下回っていない。GMMAチャートが示す支持ゾーンと相まって、早期下放れなしではそろそろ再度上昇に転じる可能性が示される。
実際、10月15日以降、日足における保ち合い、17日の一時高値トライを覗き、ほぼ15日の値幅内に留まり、「インサイド」のサインとして形成中の公算が大きい。ドル/円の次なる上昇、昨日高値108.72のブレイクをもって最初のサインを点灯、その後10月高値の再更新や200日線のトライにつながるでしょう。同打診があれば、前記「インサイド」の上放れを果たすから、上昇モメンタムの再加速が見られる公算。
強調したいのは、8月高値ブレイクの有無が重要だということだ。8月1日(木)の大陰線で、大きな弱気「リバーサル」や「アウトサイド」のサインを点灯したからこそ、8月の安値打診をもたらしたわけだから、同日高値109.33円のブレイクやそれ以上の定着があれば、米ドル/円はブル(上昇)基調への転換を果たしたと認定できる。
■米国株や日本株は暴落どころか「暴騰」の可能性あり
2019年年末まで、あと2カ月強しか時間が残っていないが、年末に近づくにつれ、相場はかなり動くのではないかとも思う。
ちなみに、米国株を含め、悲観論者の多くは「10月暴落」の可能性について繰り返し警鐘を鳴らしてきた。しかし、あと数日で今月も終わるところで、米国株や日本株は暴落どころか、「暴騰」の可能性さえあるのではないかと思う。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
そのあたりの話は、相場変動率の視点にまとめて、また次回詳説したい。市況はいかに。
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