■米ISM製造業景況感指数が悪化、10年ぶりの低水準に
米国のISM製造業景況感指数とISM非製造業景況感指数は共に悪化、製造業の方は10年ぶりの低さを示し、米国株の反落や米ドル全体の反落をもたらした。
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●ISM製造業景気指数とは? 米国の景気を占う先行指標!? 非製造業部門にも注目!
(出所:Bloomberg)
(出所:TradingView)
今晩(10月4日)の米雇用統計の発表でまた一波乱となる公算だが、総じて米ドルの頭が重く、また反落しやすいタイミングにあるかと思う。
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■米雇用統計結果の良し悪しを問わず、米国株は戻す?
一方、昨日(10月3日)の米国株三大指数はそろって反発、ISM非製造業景況感指数の悪化を受けた下落幅を取り戻した。昨日(10月3日)の値動きに照らして考えると、今晩(10月4日)の米雇用統計の中身の良し悪しを問わず、米国株は総じて戻りやすい市況になるかと推測できる。
なにしろ、目先のマーケットの関心は、米連続利下げの可能性であり、また10月も利下げが実施されるのではないかといった観測が浮上したことが、米国株の買戻しにつながったわけだ。
したがって、場合によっては、今回の米雇用統計が悪い方が米国株の支えになる、といった可能性さえあり、あまり先入観は持たない方がよさそうだ。
もっとも、米雇用統計の事前予測などは元々まったく信用できず、また、相場の反応パターンも定かではないから、今になって注意が必要とわざわざ言うことではないかもしれない。
■10月に入ってドルインデックス、米ドル/円、ともに下落
では、肝心の為替市場はどうなるだろうか。
昨日(10月3日)、米国株の切り返しはあったものの、米ドル全体は続落、米ドル安の市況が鮮明になりつつある。いつも米ドル全体(ドルインデックス)と米ドル/円は分けて見ているが、10月に入ってから両者の相関性は高く、文字どおりの米ドル全面安になっている。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
前回のコラムでも強調したように、経済指標や景況感はどうであれ、基本的には目先リスクオフの時期ではない。不確実性の高い英EU離脱問題が続くなかでも、英ポンドが底割れしないことが確認されていることもあり、リスクオフを心配しすぎるのは杞憂に終わるだろう。
【参考記事】
●今はリスクオフではない! 米ドル/円が8月高値109.33円を回復する前提条件とは?(2019年9月27日、陳満咲杜)
一般論として、典型的なリスクオフの局面は米ドル高・円高の同時進行(要するに米ドル/円のみ安く、主要外貨に対しては米ドル高となる局面)が見られがちだから、ドルインデックスの頭打ちがあれば、リスクオフに進む状況ではないことが確認できるはずだ。
■テクニカルの視点でも米ドル全体は頭打ちになりやすい形
もっとも、ドルインデックスの値動きが緩やかに進む場合は、リスクオン・オフとの相関性はあまり高くないようだ。米ドル全体が急上昇しなければ、基本的にはリスクオフを示すサインとは見られないもの。2018年夏場以降のドルインデックスの値動きは、その好例だと思われる。
その間、諸材料の噴出でドルインデックスは上下動を繰り返し、一見トレンドレスに見えるが、実は緩やかな上昇を続けてきた。
ゆえに、本コラムで繰り返し指摘してきたように、フォーメーション的には「上昇ウェッジ」の形を示し、この「上昇ウェッジ」がすでに最終段階にあるから、米ドル全体は頭打ちになりやすいと推測される。
(出所:TradingView)
だから、ここからのユーロの下値追いは、慎重にすべきだという見方も示してきた。テクニカル上の視点は、往々にしてその後、材料(いわゆるファンダメンタルズ)によって証左されるが、今回も然りだと思う。
ユーロ圏の材料は相変わらず芳しくないが…
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