■中国、資金供給の実態は18兆円ではなく2.3兆円?
春節明けで11日ぶりの取引となった今朝(2月3日朝)の上海市場ですが、8.7%安と急落して始まりました。

(出所:Bloomberg)
日経平均も300円以上の下窓で始まりましたが、「思ったほど下げなかった」という印象。
中国政府が週末に発表した18兆円規模の資金供給が影響しているのでしょう。

(出所:Bloomberg)
18兆円と言うと大きいですが、満期を迎える資金の償還分を除くと、ネットの金額は2.3兆円程度しかないそうです。
2兆円と考えると、インパクトはだいぶ弱まりますし、そもそも、金融市場に資金を供給したところでウイルス感染が止まるわけではありません。
■中国政府、「資金供給、介入、空売り禁止」で株価対策
タイ政府は、「新型肺炎、エイズ・インフル薬で治癒」と発表しました。
実際どうなのかはわかりませんが、確かな情報ならば今朝(2月3日朝)の市場で反応があったはずですよね。
いずれにせよ、中国政府は株価対策に躍起なのか、上海総合指数が10%下がれば介入する構えを見せていますし、各証券会社には「理性的な動き」をとるよう要請したとの報道も出ています。
証券会社には、空売り禁止も伝えたようです。前場時点だと東京、上海とも安値を掘っていくような感じはないですね。
今週(2月3日~)の市場が下がって始まることは、大多数が予想していたこと。利食い売りも入っているのでしょう。
先週のコラムでも話したとおり、株安の先行指標となっていたのが銅や原油などのコモディティですね。
【参考記事】
●コロナウイルス騒動で景気低迷!? 隠れQE打ち切りに言及するのか? FOMCに注目!(1月27日、西原宏一&大橋ひろこ)

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
バルチック海運指数の落ち込みも、ひどい。
コモディティを先行指標として見るならば、株価が戻るような状況ではありません。

(出所:Bloomberg)
WTI原油は、この1年強のレンジ下限である50ドルに近づいています。
この新型コロナウイルスの影響で、中国の石油需要は日量300万バレル程度減少したとブルームバーグが報じています。
中国は、世界一の石油需要国。中国への渡航禁止や世界的な航空便の減便などでジェット燃料の需要の落ち込みが懸念されます。
50ドルを割り込んでくるとオイルマネーの動向も意識され、株価にも一層、影響が出そうですね。

(出所:Bloomberg)
【CFD取引なら原油にも直接投資できる!】
●NYダウや金にも直接投資できるCFD取引会社を徹底比較!
(次ページでは、米大統領予備選や日経平均、今週の見通しの話題が…)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
メルマガ「トレード戦略指令!」有料会員向けに西原宏一さんとフリーアナウンサーの大橋ひろこさんがぶっちゃけトークを繰り広げる動画コンテンツ「FX・投資作戦会議」を一部無料公開しています。ぜひ、ご覧ください。
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。

「トレード戦略指令!」は登録後10日間無料解約可能なので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)