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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

米国株を「買わない理由」はない!?
株高追い風に豪ドル/円は押し目買い!

2020年01月20日(月)16:28公開 (2020年01月20日(月)16:28更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■スイス「監視対象国」入り。スイスフランへの影響は?

先週(1月13日~)話題となったのが、米国の為替報告書。中国が為替操作国から解除された一方、スイスが監視対象国に追加されました。

スイスフラン安になっていたところで為替操作国に認定されたのなら、「スイスフランを買おうか」とも思います。さらなる通貨安への抑止力となりますから。


ただ、今回は違う。特にスイスフラン安が進んでいたわけではないため、ここから買っていくかというとピンときません

スイスフラン/円 日足
スイスフラン/円 日足チャート

(出所:Trading View

明日(1月21日)からは、ダボス会議が開幕ですね。

トランプ米大統領が出席予定です。マーケットにインパクトのある発言が出るのではとの期待感はありますが、どうでしょうか。

■利下げ確率が70%「しか」ない? 英ポンドは上がりにくそう

今週(1月20日~)はECB(欧州中央銀行)や日本銀行、それにカナダ中銀の政策発表もありますね。

日銀は無風でしょう。注目はECB。


前回の理事会では、1月から「金融政策の総点検を開始する」と発言し、タカ派的な姿勢も覗かせました


まだ金利正常化を織り込むようなユーロ高の動きは見られませんが、注目しておきたいですね。

【参考記事】
クリスマス前のセル・ザ・ファクトに注意。ユーロ/米ドルに、上昇の可能性あり!?(2019年12月16日、西原宏一&大橋ひろこ)

1月30日(木)の利下げが、急浮上してきたのが英ポンド。利下げ織り込みが70%程度まで高まっています。

ドイツ証券などは、2度の利下げを予想しています。


ただ、1月については利下げ確率が70%しかない。確実とはいえない状況ですね。

70%だと、「しか」という印象ですか?

利下げが確実なら、この時期にはもう100%近くに達しているはず。


本当に利下げするなら今週(1月20日~)、織り込み度が高まり、英ポンドは売られていくのでしょう


どちらにしても、今週の英ポンドは利下げ警戒から上がりにくい展開だとは思います。

■「買う理由」だけが残った米国株

株価は強いですね。NYダウ平均は先週(1月13日~)も史上最高値を更新。3万ドルの大台まであと700ドル弱です。


チャートを見ると、200日移動平均線から大きく乖離したまま上昇しており、日柄的にもそろそろ調整が入ってもおかしくないように見えますが……

【FX初心者のための基礎知識入門】
移動平均線は、テクニカル指標の超基本。SMA・WMA・EMAの違いは…?

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

オシレーター系のテクニカルを見ても買える形ではないのですが、ジリ高が続いているうちに時間調整を完了するのかもしれませんね。

【FX初心者のための基礎知識入門】
相場予測に欠かせないテクニカル分析とは?歴史を紐解けば、売買ポイントがわかる!?

ファンダメンタルズ的には業績相場なのでしょうが、先週(1月13日~)発表されたJPモルガンやシティグループの決算も好調。


業績も強いんですよね。「買わない理由がない」という感じ

米中貿易戦争は第1段階で合意、イランのリスクも急速に収束し、今週(1月20日~)から上院での本格審理が始まるトランプ米大統領の弾劾も何ら問題はないはず。


「買わない理由」だった3つがいずれも解消し、残るのは「買う理由」である隠れQE(量的緩和)


そうなれば株は堅調だし、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も強いのでしょう

■パラジウム大爆発! 今週も豪ドル/円を押し目買いで

今日(1月20日)にもIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しが発表される予定です。


これまでは5回連続、下方修正。その理由のひとつだった米中が歩み寄りましたから、今回は下方修正から脱却できるかもしれません。

IMFが強気な見通しを示せば、コモディティ市場にも追い風となりそうですね。

コモディティで先週(1月13日~)、大爆発したのがパラジウム


連日の高値更新で年初から20%高、昨年初(2019年初)からの1年強で2倍以上に値上がりしています。

NYパラジウム先物&NY金先物 日足
NYパラジウム先物&NY金先物 日足チャート

(出所:Bloomberg)

背景は何ですか?

パラジウムはガソリン車の触媒に使われますが、中国では昨年(2019年)、自動車販売台数が8.2%減少しました。


米中貿易戦争のほか、「国6」という新たな排ガス基準に生産ラインが追いつかなかったことなどが原因です。


ところが米中が歩み寄りし、また「国6」に対応した生産ラインも整いつつあります。


パラジウムはそもそも供給不足ですし、自動車販売の回復とともに需給が逼迫するのではとの思惑も高まって買われているようです。


とはいえ、「金より高くなってしまった」というのはさすがに驚き。

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コモディティ高を追い風にしやすいのが豪ドル。株式市場も堅調に推移するなら、それも追い風になる。


今週(1月20日~)も豪ドル/円の押し目買いで臨みたいと思います。


利下げ期待の高まっている英ポンド/円が下げる場面では、豪ドル/円も下がりやすくなる。そこを狙って押し目買いするようなイメージでしょうか。

【参考記事】
動かない米ドル/円から投資家が離脱!? リスクオン継続で、豪ドル/円に買い妙味!(1月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
森林火災危惧も、豪州株は最高値更新。豪ドルは底堅い! 対円は80円へ反発開始(1月16日、西原宏一)

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:Trading View

(構成/ミドルマン・高城泰)

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