■日本の悪材料で円安になったワケとは?
ところが、今回は日本の悪材料で円安に振れています。
それは、米系投資家の行動に変化が起きたからのようです。
日本の悪材料となる報道が目立つ局面で、米ドル/円での米ドル買いを持ち込んでいるのが、本邦機関投資家と米系投資家で、まとまった米ドル買いを持ち込んでいる模様。
本邦機関投資家だけのときは、米ドル/円の上昇も限定的だったのですが、今回は、米系投資家のまとまった米ドル買いの影響も大きいようです。
そのスタンスの変化は、GDPの年率マイナス6.3%という報道にあるようです。
この報道で米系投資家が取った行動は、リスクオフの円買いではなく、円売りでした。
(出所:Trading View)
■米ドル/円は重要な節目を突破し、115円へ上値余地拡大
そして、彼らが期待したのは日銀の追加緩和。
それによる円売りという流れのようです(この段階では、初期のアベノミクスの時のような大規模な金融緩和の手段は思いつきませんが…)。
写真は日銀の黒田総裁。日本のGDPマイナス6.3%という報道を受けて、米系投資家が期待したのは日銀の金融緩和。ただ、西原さんは、この段階では大規模な金融緩和の手段が思いつかないという (C)Bloomberg/Getty Images
つまり、まず、リスクオフでの円高にはならず、日本勢の米ドル買いにより、米ドル/円は底堅い展開に。そして、GDP年率マイナス6.3%ショックによる日銀の追加緩和期待により、米系投資家の円売りという側面が加わったことから、米ドル/円は重要なレジスタンスである110.15円レベルをブレイクして急騰しています。
シンプルですが、2015年に125.86円の高値に到達して以来のレジスタンスライン(=110.14円)を2月19日(水)にブレイクした形になります。
(出所:Bloomberg)
重要なレジスタンスをブレイクした米ドル/円は、115円へと上値余地が拡大した形になります。
リスクオフでも円高にならず、そして、日銀の追加緩和期待を背景とした米系投資家の米ドル買いにより、上値余地が拡大した米ドル/円の行方に注目です。
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