週明けの機能のマーケットは大きなリスク回避で始まった。特に原油価格が10ドル以上もの急落してスタート。原油相場はリスクに敏感だとされているので、そのリスク許容度の減退が他の主要なマーケットに飛び火した。米国株も大幅安となって、アジア時間のうちにグローベックスでは下げの制限値幅まで達してしまった。
米国株を売れない人にとってはオルタナティブにも何かを売らないとヘッジにならない。そこで次に為替相場でドル円やユーロ円が売り込まれることとなった。ドル円は104円台でスタートしたのも安かったが、それが101円台まで突っ込んだのである。
安全志向の高まりは、安全資産の米国債にも波及。そして10年ものの利回りは0.31%台まで急低下した。もうちょっとでマイナスの利回りである。原油価格が急落するには、いくつもの要因が重なった。まずは直近のOPECプラス会合でロシアの合意を得られなかったことだ。
これでサウジアラビアは単独増産の意向を示したからだ。自分だけ減産していても、石油販売のシェアだけが低下するのを恐れてのことだろう。これで供給面からのダブつき感は決定的になった。またウイルス感染の封じ込めの影響で、中国の生産能力の低下が見込まれ、それは石油需要の低下を意味する。
そうした材料はすでにあったわけで、目新しいものではない。問題はいつになったら、それがプライスなどに表面化するのかだけであった。それがたまたま昨日のマーケットに極端に出たというだけのことだ。夏時間に移行して初日だったのに、私も体がついていった。
原油相場の崩れと米国株の大幅安を見て、ドル円は売り込んでいった。104円台で売れたのもつかの間、すぐに103円台に突入。103.70で利食いできたが、FX会社のクオートもたいへんワイドになっている。売買するだけで何か損を連発しているような感じにもなる。
あとは戻りを確実に待って、再び売るというのを繰り返すだけ。あまり下サイドのメドを設けないで、機械的に対処した。東京時間の午前中に米国株が値幅制限まで達したときも、ドル円の売るべきタイミングであった。米国株が下がれないのであれば、ドル円でも売るしかないからだ。
ニューヨーク時間では米国株がサーキットブレークの状態で始まった。やはりこのタイミングでヘッジのためのドル円の売りが出て、再び101円台に突入。ニューヨーク時間ではドル円は101.17まで安値を記録した。そしてその後は102円台まで戻してきたのは、政策期待などによる自律反発の域を出ていない。
トランプ大統領が経済対策をすると発表したことで、今日のアジア時間ではリスクの巻き返しとなっている。ドル円は104円台まで戻してきた。ただ先週の火曜日もそうであったように、FEDの電撃利下げもありうるかもしれない。市場はすでに3月時点での利下げを50ベーシスポイント以上も織り込んでしまっている。
あとは弾を撃つのが本番のFOMCなのか、それとも電撃なのかである。そのための期待が高まっている。注意しないといけないのは、何も出てこなかったときだ。すでに米国株も大きく上がっている分だけ、反動は相当に大きなものとなるだろう。
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