■米国も参加し、1500万バレルの削減か?
今日はまず、原油からでしょう。OPEC(石油輸出国機構)など産油国は、日量970万バレルの減産に合意しましたね。
OPECプラス(※)に参加していない米国やカナダなども合計で370万バレルを減産するほか、サウジアラビアなども合計200万バレルの自主的な追加減産を表明しており、世界全体の減産量は1500万バレルを超える見通しとも報じられています。
これが遵守されれば過去最大の減産量ですし、米国、カナダも加わっての協調減産となれば歴史的合意です。
(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)
イースターマンデーの影響かもしれませんが、今日(4月13日)のWTI原油は20ドル台で推移しており、反応は鈍いですね。
【参考記事】
●日本の緊急事態宣言でセル・ザ・ファクトか。豪ドルの瞬間的な急騰は、誤発注だった!?(4月6日、西原宏一&大橋ひろこ)

(出所:TradingView)
需要の落ち込みは2000~3500万バレルと試算されていますから、1500万バレルの減産でも需給は引き締まらず、しばらくは安値で低迷せざるを得ないという印象でしょうか。
G20(主要20カ国・地域)エネルギー相の共同声明でも具体的な削減目標の設定は見送られましたね。
とくに旗振り役を担った米国の具体的な減産量など、まだ情報が少ない。本当に歴史的合意と言えるのか、今のところ市場は懐疑的なようです。
■アフターコロナで株価は爆発するか
原油も重要ですが、やはり注目は新型コロナウイルスの動向ですね。
NYダウは、年初来高値から安値までの下落幅の50%戻しまで回復しています。金融、財政両面の政策が好感されての戻り局面でしょうが、ビフォーコロナのようなグローバリゼーションへ即座に回帰するのは難しそうな印象。
世界経済の低迷が長期化するなら、ここから二番底をつけにいくと見る向きも多いですね。

(出所:TradingView)
先進国の中央銀行がマネーをジャブジャブにしているので、ロックダウン(都市封鎖)が解除され、経済がリスタートしたときのリバウンドは強烈なのではとのイメージもあります。
米国では失業者が急増していますが、同時に多額の給付金も出しています。リスタート時には、そうした効果が一斉に出てくる可能性もありますね。
二番底はない、という見方ですか?
NYダウは、すでに1万ドル下げています。かなりの悪材料はすでにプライス・イン(織り込み)されていると考えていいのではないでしょうか。
リスタートするためには、コロナの終息が条件になってきますね。
米国では拡大局面がピークアウトした州もあるようです。一部の州では、リスタートが近いのではとの見方も出ている。市場の見方が好転すれば、株価も徐々に戻していくのではないでしょうか。
もちろん、ここから一直線に上がっていくと想定しているわけではないですが。
【参考記事】
●コロナショックのNYダウ暴落を、世界恐慌やリーマン・ショックのときと比較してみると…
(次ページでは、今週の注目材料とトレード戦略の話題が…)
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