■パウエル議長がマイナス金利導入の可能性を一蹴
その米国ですが、本日(5月14日)未明、パウエルFRB議長が、近い将来のマイナス金利導入の可能性を一蹴したことが大きく報道されています。
日本時間5月14日(木)未明、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、「現時点では、マイナス金利は検討の対象ではない」とし、金融当局が近くマイナス金利を導入するとの見方を一蹴(ただし、将来的に取り得る手段としての「マイナス金利導入」を完全には排除しませんでしたが…)。
加えて、米国経済が前例のない下振れリスクに直面していると指摘し、「追加の財政出動は、コストが伴う可能性があるものの、その価値はある」とコメントしました。
パウエルFRB議長は、近い将来のマイナス金利導入の可能性を一蹴。ただし、米国経済が前例のない下振れリスクに直面していると指摘した (C)Bloomberg/Getty Images News
パウエル議長の発言を受け、米国株は続落。
NYダウは2.2%安、S&P500指数は3週間ぶりの安値に下落しました。
(出所:Trading View)
■豪ドル/円の反落は押し目買いの好機になる
このところ、70円近くという高値圏で推移していた豪ドル/円も、米国株の下落に呼応し、反落しました。以下は、豪ドル/円の日足チャートです。
(出所:Trading View)
3月19日(木)に59.90円の安値まで下落した豪ドル/円は、その後、一転して反発を開始。1カ月強で70円台前半まで急騰しています。
ただ、70円台前半を何度も試すものの、どうしても節目の70.00円をクリアに抜けきれない展開が続き、5月13日(水)の米国株の反落で、いっしょに値を下げた状況です。
本稿執筆時点では、一時68.63円まで下落しています。
とはいえ、前述のRBNZのように、多くの中央銀行がマイナス金利の導入を検討している中、その導入に対して積極的ではないRBAには、やはり、極めてタカ派な印象を受けます。
また、前述のように、本日(5月14日)未明、パウエルFRB議長がマイナス金利導入の可能性を一蹴したことで米国株が急落したにも関わらず、米ドル/円が底堅く推移していることもありますので、豪ドル/円の中期の上昇トレンドは変わらず。
(出所:Trading View)
今回のような下落は、豪ドル/円のロングを再構築する好機ではないかと想定しています。
他の主要中銀が「マイナス金利」を検討する中、タカ派なスタンスを貫くRBA率いる豪ドルの中期の流れは変わらず。
引き続き、豪ドル/円を筆頭に、豪ドルクロス(豪ドルと米ドル以外の通貨との通貨ペア)の行方に注目です。
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