■米雇用統計は驚くような結果に! 為替は…?
5月8日(金)に、4月分の米雇用統計が発表されました。
非農業部門雇用者数はマイナス2050万人、失業率は14.7%と、驚くような数字が発表されました。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
ただ、市場参加者は、悪い数字が出ると身構えていたことや、結果が市場予想の中央値より良かったこともあって、為替市場は米ドル高に。
(出所:TradingView)
来月(6月)発表される5月分も、悪い数字が出ることが予想されており、まだしばらくは、景気の回復は見込めないことになります。
【参考記事】
●衝撃の米雇用統計でバイ・ザ・ファクト! 米マイナス金利は年内!? ドル/円は戻り売り(5月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
●未曽有の危機、史上最悪の米雇用統計目前! そこで晴れ晴れとした気分になる可能性あり!?(5月8日、陳満咲杜)
■失業率のV字回復は期待できない状況か
6月分以降の雇用統計に関しては、ロックダウン(都市封鎖)が一部、解除されたあとになるため、改善が期待できます。
ただ、ロックダウンの解除は、新型コロナウイルス感染の第2波を警戒する必要があり、実需もすぐに戻ってくるような状況ではありません。輸出に頼るにも、他の国も景気が悪いため需要が落ち込み、それらは望めない状況です。
ロックダウンが解除されても、失業率のV字回復は、期待できなさそうです。
■楽観的になりきっていないうちは、株価は底堅い
実体経済の回復は期待できませんが、株式市場は、財政政策と金融政策の影響で、好調な状態が続いています。
この上昇を見て、市場参加者が楽観的になるようであれば、実体経済が追い付いてないことから、いつ崩れてもいいような状況になりますが、今はまだ、二番底への警戒も残っているため、楽観的になりきっていないと思います。NYダウなどもまだ、底堅い推移が続くのではないでしょうか。
【参考記事】
●日銀、追加緩和決定もドル/円の動き限定的。株は上昇見込めるが、為替は横ばい継続か(4月28日、バカラ村)
(出所:TradingView)
■為替市場は全体的に横ばいが継続か
為替市場は、全体的に横ばいが継続するのではないかと思います。
ドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペアのこと)だけでなく、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)や、それ以外のクロスも、全体的に横ばいとなっている通貨ペアが多い状態です。
英ポンド/米ドルは、日中は値動きがよく、デイトレードには適しているような動きをしていますが、日足では1.22ドル半ば~1.26ドル半ばのレンジが続いています。
【参考記事】
●日銀、追加緩和決定もドル/円の動き限定的。株は上昇見込めるが、為替は横ばい継続か(4月28日、バカラ村)
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルも、1.07ドル半ば~1.1000ドルのレンジが続いています。
(出所:TradingView)
■ユーロ/米ドルはレンジ下抜けの可能性が高そう
ユーロ/米ドルは、5月5日(火)にレンジ上限付近の1.1017ドルまで上昇していましたが、ドイツ連邦憲法裁判所がECB(欧州中央銀行)の量的緩和の一部が違憲との判断を示し、その後は軟調に推移。ただ、あくまでもレンジ内での推移です。
今週(5月11日~)は、まだ、ユーロ/米ドルは反発する可能性がありますが、このレンジは、下へ抜ける可能性の方が高いのではないかと考えています。
SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が、ユーロ/スイスフランの1.05フランを防衛ラインとして買い支えていると言われており(ユーロ買い・スイスフラン売り)、ユーロは底堅くなりやすい状況ではあります。しかし、ユーロを買う材料にも乏しく、ユーロ/米ドルは、基本は横ばいとは思いつつも、下がる可能性の方が高いのではないかと思います。
ユーロ/米ドルは、1.07ドル割れの可能性もあるのではないかと考えていますので、戻り売りで考えたいと思います。
(出所:TradingView)
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