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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

バフェット氏が「世界は変わる」と発言!
ポストコロナはユーロが主役になる相場

2020年05月07日(木)17:53公開 (2020年05月07日(木)17:53更新)
西原宏一

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■ウォーレン・バフェット氏が「世界は変わる」とコメント

 みなさん、こんにちは。

 先日、著名投資家のウォーレン・バフェットさんが興味深いコメントしていたので、ご紹介させていただきます。

バフェット氏、航空株すべて売却 「世界は変わる」

著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイは2日、年次株主総会を開いた。バフェット氏は新型コロナウイルスの感染拡大によって「世界が変わる」として、保有していた米航空株を全て売却したと明かした。数々の危機を乗り越えてきた「投資の神様」は米国の明るい将来を信じつつも、コロナ後の世界を見据えて動き始めている。

出所:日経新聞

 バフェットさんのコメントを簡単にまとめると以下のとおり。

ウォーレン・バフェット氏のコメントまとめ

 ここでマーケットが注目したのは、彼が米航空株をすべて売却した点

 本来、航空株はバフェットさんの「お気に入り銘柄」として有名。今回、その「お気に入り銘柄」をすべて売却したことがマーケットを驚かせたわけです。

 報道によれば、バフェット氏は「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない。3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な見方を示したとのこと。

 航空需要は、数年後も戻ってこないとコメントしているわけです。

ウォーレン・バフェット氏は、新型コロナウイルスの感染拡大によって「世界が変わる」と発言。自身が保有していた米航空株をすべて売却したことを明らかにした (C) Bloomberg/Getty Images News

 過去数十年に渡って、主要国はグローバル化を推し進め、成長してきました。

 グローバル化が意味することは「人と物の移動」

 その「人と物の移動」から、人の移動が少なくなるということになります。

■ラリー・フィンクCEOも「状況は一変する」との見解示す

 そしてもうひとり、ポストコロナで「状況は一変する」とコメントしている投資家がいます。

 それは、米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンクCEO(最高経営責任者)です。

 前述のバフェットさんは、「航空業界を中心に世界は変わる」と言いましたが、ブラックロックのフィンク氏も同じようなコメントをしています。

ブラックロックのフィンク氏、経済はやがて回復も状況は一変へ

米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた経済が将来的には回復すると予想する一方、今回の危機によって投資家心理や事業慣行、消費者の性向は一変するとの見通しを示した。

フィンク氏は29日付の投資家宛て年次書簡で、今年に入ってからの新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の結果、人々の間でジャストインタイムのサプライチェーンや、飛行機での旅行への依存を見直す動きが生じていると指摘した。

出所:Bloomberg

 彼も、ポストコロナでは「人の移動が減る」ことを指摘しています。

 加えて、相場が底打ちしたかどうかもわからないとしています。

■コロナが世の中の流れを加速させた

 実際、私も「トレーダーとしての側面は変わりません」が、ストラテジストとしての仕事は大きく変わりつつあります。

 会場セミナーは激減。「オンラインでのセミナーや番組配信」が増える傾向にあったのが、加速している流れに。

 先日の打ち合わせも、私が提案してオンライン会議ができるツールZoomで行いました。

 今、私が進めている企画もZoomを使ったものであり、たしかに移動は少なくなりそう。

 これは、コロナで世の中が変わったというよりも、コロナが世の中の流れを加速させた形。

 ここで、この変化を確認してみます。

 私が移動しないということは「車を使わない、電車に乗らない、打ち合わせで会議室を使わない、終わった後、軽く行きますか?という食事代がかからない」といったようなことが挙げられます。

 逆に、動画配信を事務所からするのであれば、これは個人で配信するため、マイクなどの機材を揃えたり、動画をあとから編集するためのソフトウェアを購入するコストはかかりそう。

以前もご紹介しましたが、このようにポストコロナは、コロナ前に戻るのではなく、違う世界に移行するスピードが速まるということのようです。

【参考記事】
新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇は将来的なリスクオンを示唆!?(4月30日、西原宏一)

■ポストコロナはユーロが主役の相場になる

 こうした環境下、金融市場、為替市場はどう変貌するのでしょうか?

 直近の為替市場では、引き続き、豪ドルが主役に。

前回のコラムでは、豪ドル/米ドルと銅の動きの連動性についてご紹介させていただきましたが、今回は、株式市場とユーロ/豪ドルの連動についてです。

【参考記事】
新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇は将来的なリスクオンを示唆!?(4月30日、西原宏一)

 このところ、米国株が上がるとユーロ/豪ドルが売られて、米国株が反落するとユーロ/豪ドルが大きく買われるという傾向があります。

NYダウ&ユーロ/豪ドル 日足
NYダウ&ユーロ/豪ドル 日足チャート

(出所:Trading View

 こうした役割は、長期に渡って豪ドル/円が演じたきたのですが、円キャリーからユーロキャリーが主役になるにつれて、米ドル/円や豪ドル/円の役割が低下してきています。

 そして、今週(5月4日~)に入って、ユーロ/豪ドルとともに、もうひとつ動き出した通貨があります。

 それは、ユーロ/円

 現在、米国は前例のない金融緩和に踏み切っています。

【参考記事】
マーケットは「アフターコロナ」に注目! 大規模金融緩和であふれた資金はどこへ?(4月9日、西原宏一)

 このような環境下、これまでの傾向から考えればユーロ/米ドルを筆頭に、マーケットは米ドル売りに傾くことが多いのですが、今回のユーロは対豪ドル、対円を筆頭に値を下げてきています。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:Trading View

 これは欧州が、米国やオセアニア、そして日本以上にコロナの被害がひどいことを意味します。

 そうした環境下、今週(5月3日~)の注目はユーロ/円

 ユーロ/円は、ついに3年半ぶりに115.00円の節目を割り込んで、本稿執筆時点では114.47円まで下落しています。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:Trading View

前回ご紹介したユーロ/豪ドルに続き、ユーロは対円でもさらに値を下げる可能性が高まっています。

 ポストコロナの主役は、米ドル/円ではなく、ユーロ/豪ドル。

【参考記事】
新型コロナ治療薬への期待が相場押上げ! 銅価格上昇は将来的なリスクオンを示唆!?(4月30日、西原宏一)

 次に、本邦勢からレパトリエーションの円需要の高まりが懸念されているユーロ/円。

110.00円に向けて、続落するユーロ/円の動向に注目です。


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今井雅人