■米ドル/円はダウントレンド入り。中期で100円へ
ここで、今月(6月)の米ドル/円の流れを整理してみます。
(1) 米雇用統計を受けての米国株続伸というポジティブな材料にも関わらず、米ドル/円は反落
(2) FOMCが2022年までゼロ金利を続けるというネガティブ材料に素直に反応して、米ドル/円は続落
結果として、米ドル/円はポジティブ材料には反応せず、ネガティブ要因にビビットに値を下げることになっています。
つまり、米ドル/円は「ダウントレンド入り」したとみます。
(出所:Trading View)
先月(5月)の米ドル/円の展開を振り返ってみると、「106円台前半では、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が断続的に米ドル買いをマーケットに投入」したとのマーケットのウワサもあり、最終的にマーケットは踏み上げられ、109円台まで反発しています。
今回も、米ドル/円の下落局面では、彼らからの米ドル買いがサポート要因になるのでしょうが、3月の米ドル/円の反発局面では112円台を回復できず。そして、今月(6月)の反発局面では110円台に乗せきれなかったことから、米ドル/円の上値は極めて限定的になってきたと想定しています。
加えて、ジョージ・フロイドさんが白人の警察官に首をおさえつけられ死亡した事件をきっかけとした抗議デモが全米で拡大中。
このデモの参加者はほぼ全員、トランプ大統領不支持であるとの報道もあり、米国では政治情勢も極めて混沌としています。
前述のように、ポジティブ材料に反応しなくなった米ドル/円は、中期では100円に向かう公算が高まっています。
(出所:Trading View)
「雇用統計天井」を形成し、続落する米ドル/円の行方に注目です。
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