■ECB理事会はプログラムの拡大を決定
先週(6月1日~)の注目イベントは、6月4日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会と、6月5日(金)の米雇用統計でした。
ECB理事会では、政策金利は据え置きでしたが、パンデミック緊急購入プログラムの購入額を6000億ユーロ拡大しました。
また、買い入れ期間は6カ月延長し、2021年6月まで。再投資は少なくとも、2022年末まで継続とされたことで、金融市場はリスク選好の動きとなり、ユーロ/米ドルも1.1383ドルまで上昇しました。

(出所:TradingView)
■米雇用統計はポジティブサプライズ
米雇用統計(5月分)は、ポジティブサプライズとなりました。
市場予想では、失業率は19.8%でしたが、結果は13.3%と、かなり良い数字が出ました。4月が14.7%だったこともあり、4月からも改善しているため、景気に底打ちの可能性が出てきています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
ただ、発表元の米労働省労働統計局によると、一時解雇による失業者の一部が「就職しているが休職中」に分類されている可能性があり、正確に報告されていれば、失業率は3%ほど高い16%程度になっていたようです。
しかし、5~6月が、今回の景気後退局面の底になる可能性があります。市場には、失業率は20%になる、という予想も多くあったため、その面から見ても、悲観の方が大きかったように思います。
■景気は5~6月が底の可能性高く、ここからは回復だけ
さらに、非農業部門雇用者数も、市場予想はマイナス800万人程度でしたが、結果は250.9万人と、プラスの数字が出てきています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
今回は、1930年以来の景気後退とされていました。今までの景気後退局面は、どこが底になるのか、しばらくは判断できないことが多かったのですが、今回のコロナウイルスの影響による景気後退は、5~6月が底になる可能性が高いため、ここからは回復だけになります。
■株式市場は堅調になりやすい状況
ここからの回復には、時間がかかるかもしれませんが、底が見えてきたこともあり、あとは楽観になりやすいのではないかと思います。
株式市場は、主要各国の異次元の金融緩和・大規模な財政出動で、これまで上昇してきましたが、実体経済もここに加わるため、堅調になりやすい状況です。

(出所:TradingView)
金融市場は、市場参加者が買いに偏ると、その後は下がる可能性が高まってきますが、ここまでの株式市場は米中の対立懸念、二番底懸念、株価と実体経済の乖離などから悲観論もあったため、そのショートカバーで上昇してきた面があります。
そうであれば、まだ、買いに偏っている状況ではないと思います。
ただ、楽観になりやすい状況が整ってきていることもあり、目先はまだ堅調だと思いますが、市場参加者が楽観的になったときは、下がる可能性を考えるべきだと思います。
今週(6月8日~)のイベントとしては…
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