世界中の数ある金融マーケットの中でも、圧倒的な取引規模を誇る外国為替市場。その外国為替市場において、日本のFX取引高はそれなりのボリュームがあり、海外では日本のFX投資家は「ミセスワタナベ」と呼ばれ、その動向が注目されることもあります。
【参考記事】
●「ミセス・ワタナベ」のルーツを探れ(1)実は90年代半ばに英国で生まれた言葉?
事実、FXの年間取引高で、日本の店頭FX会社がこれまでに何度も世界一に輝いたり、ランキングトップを日本の店頭FX会社が独占したりしてきました。
【参考記事】
●FX会社の取引高・口座数ランキング。データからみる主要FX会社の状況は?
日本の主要な店頭FX会社の取引状況は、FX業界の自主規制団体でもある一般社団法人金融先物取引業協会(金先協会)が毎月発表している、「店頭FX月次速報」で確認することができます。また、店頭FX月次速報をもとに作成された「店頭外国為替証拠金取引の概況」というレポートもあり、こちらも誰でも閲覧することが可能です。
店頭FX月次速報では、店頭FX会社における月間の取引高などを見ることができます。
【参考記事】
●2013年5月のFX取引高も最高記録更新!豪ドル安相場の中、豪ドル買いはまた増加
●2013年4月のFX取引高が過去最高に!膨らんだ豪ドル買いポジションは大丈夫?
●3月の店頭FXは、相場急変で取引量が大幅増加! 活発に取引された通貨は?
※単位:兆円
※一般社団法人金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」のデータをもとにザイFX!が作成
取引高は主要通貨ペアごとにも公表されています。外国為替市場でもっとも多く取引されている通貨ペアはユーロ/米ドルですが、アベノミクス相場が始まった2013年以降、日本のFX投資家による売買においては、米ドル/円が圧倒的なシェアを占めていることがわかります。
【参考記事】
●アベノミクス相場を振り返り! 大胆な金融政策で米ドル/円と日経平均はどう動いた?
●535兆円!店頭FX取引の83%はドル/円。大騒ぎスイスフランの取引量は0.2%だけ!
●「逆張りを好む個人投資家」が心配。2月の店頭FXはドル/円の売りが270%の急増!
※単位:兆円
※2020年は8月までのデータ
※一般社団法人金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」のデータをもとにザイFX!が作成
店頭FX月次速報ではほかにも、月末時点の売りポジションの残高と買いポジションの残高から、日本のFX投資家が全体でポジションを買い越しているのか、売り越しているのかも把握できます。
【参考記事】
●5月の店頭FX月次速報が発表に!12通貨ペアすべてでショートが減少に
※単位:億円
※一般社団法人金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」のデータをもとにザイFX!が作成
また、円売りポジションから円買いポジションを差し引いた、いわゆる「円キャリー金額」も公表されており、日本のFX取引の全体像を確認するのに役立ちます。
【参考記事】
●円キャリートレードとは? リーマンショック時の巻き戻しでは、円安から急速な円高に一転!
●5月の店頭FXも円キャリーが拡大!豪ドルは対円・米ドルでロングが増加!
●4月の店頭FX速報、円キャリーが前月末比104.4%の急増!ドル/円はショートが急減
●4月の店頭FX月次速報が発表に!円キャリー額が前月比139%の大幅増加!!
●1月の店頭FX月次速報が発表に!円キャリー額が前月から174%も増えた!!
●09年12月の店頭FX月次速報が発表に!円キャリー額が前月から67%も減った!!
●11月の店頭FX月次速報が発表!円キャリー額が前月から12%も増えた!!
※単位:億円
※一般社団法人金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」のデータをもとにザイFX!が作成
公表されるデータの仕様などについては多少の変化があるものの、一般社団法人金融先物取引業協会は2008年11月分から、毎月中旬ごろに前月分のデータを公表しています。
過去のデータという性質上、そのときどきの為替相場で、常に直接的な影響を与えるというものではありませんが、FX大国とも言われる日本のFXトレーダーの動向は一定の注目を集めるため、特に大きく円高や円安が進んだときなどは、ミセスワタナベの取引動向を確認する材料として参考にされることがあります。
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