■日経独歩高でNT倍率は過去最高へ
週明けの株式市場も強いですね。日経平均の今日(11月16日)の前引けは419円高の2万5805円です。
この上の2万5900円は先週(11月9日~)の先物市場でつけた高値であり、その他にもチャートポイントが集中するところ。
ポイントは、ここを抜けて2万6000円台に乗せられるかどうか、です。
短期的な調整を警戒する向きも増えてきたようですね。

(出所:TradingView)
日経平均がこの位置なら、NYダウは3万ドルへ乗ってもおかしくないのですが、そうはなっていない。
日経平均独歩高という感じで、ちょっと気持ち悪いですね。
「菅政権誕生でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に日本株を買わせたら、提灯買いがついて想定以上に上がってしまった」なんて噂も出ています。

(出所:TradingView)
気になるのは、日経平均株価をTOPIXで割った指標であるNT倍率。
過去の最高は1980年の14.72倍なのですが、今日(11月16日)は記録を更新する14.9倍。
東証1部全銘柄対象のTOPIXと比較して、ファーストリテイリングやファナックなど値がさ株の寄与度が高い日経平均が強すぎる状態です。
日経独歩高ですので、いつ調整してもいいように見えますね。

(出所:TradingView)
■株が上がっても、米金利が上がっても上がらない米ドル円
株式市場で期待されているのが、モデルナが開発を進めているコロナワクチンの治験結果です。
早ければ今日(11月16日)にも公表される見通しですが、ファイザーの有効性90%よりは低く、70%から80%程度ではとささやかれています。
株高ですが、米ドル/円はついてこないですね。
先週月曜日(11月9日)にファイザー報道で105円台を回復しましたが、今日(11月16日)は104.50円まで軟化しています。
【参考記事】
●新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)
●じわじわとした推移で長期的に米ドル安へ。年末に向けたリスク選好の動きにも期待!(11月10日、バカラ村)

(出所:TradingView)
株が上がろうが、米ドル円は重い。リスクオン・オフで考えるとずれてしまいますね。
先週(11月9日~)は、米金利上昇を米ドル/円の上昇要因として指摘する声もありました。
ファイザー報道の直後には、米10年債利回りが1%目前まで急騰しました。
これで米ドル/円が上がるかと思いきや、抑えられた。
株が上がっても上がらない、米金利が上がっても上がらない米ドル円は、どうしたら上がるのか……と。
結局、米ドル安の流れが強いのでしょう。
【参考記事】
●バイデン政権では、ある程度の経済対策が実現し、増税はない。緩やかなドル安進行か(11月11日、志摩力男)
●じわじわとした推移で長期的に米ドル安へ。年末に向けたリスク選好の動きにも期待!(11月10日、バカラ村)
(次ページでは、米国でのコロナ再拡大や英EU通商交渉、トルコ大幅利上げの行方、今週の見通しの話題が…)
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