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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

上値の重さを確認したドル/円を戻り売り!
日経平均は独歩高。短期的な調整を警戒か

2020年11月16日(月)16:12公開 (2020年11月16日(月)16:12更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■日経独歩高でNT倍率は過去最高へ

週明けの株式市場も強いですね。日経平均の今日(11月16日)の前引けは419円高の2万5805円です。

この上の2万5900円は先週(11月9日~)の先物市場でつけた高値であり、その他にもチャートポイントが集中するところ。


ポイントは、ここを抜けて2万6000円台に乗せられるかどうか、です。

短期的な調整を警戒する向きも増えてきたようですね。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

日経平均がこの位置なら、NYダウは3万ドルへ乗ってもおかしくないのですが、そうはなっていない


日経平均独歩高という感じで、ちょっと気持ち悪いですね。


「菅政権誕生でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に日本株を買わせたら、提灯買いがついて想定以上に上がってしまった」なんて噂も出ています。

日経平均&NYダウ 日足
日経平均&NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

気になるのは、日経平均株価をTOPIXで割った指標であるNT倍率


過去の最高は1980年の14.72倍なのですが、今日(11月16日)は記録を更新する14.9倍


東証1部全銘柄対象のTOPIXと比較して、ファーストリテイリングやファナックなど値がさ株の寄与度が高い日経平均が強すぎる状態です。


日経独歩高ですので、いつ調整してもいいように見えますね。

日経平均&TOPIX 日足
日経平均&TOPIX 日足チャート

(出所:TradingView

株が上がっても、米金利が上がっても上がらない米ドル円

株式市場で期待されているのが、モデルナが開発を進めているコロナワクチンの治験結果です。


早ければ今日(11月16日)にも公表される見通しですが、ファイザーの有効性90%よりは低く、70%から80%程度ではとささやかれています。

株高ですが、米ドル/円はついてこないですね。


先週月曜日(11月9日)にファイザー報道で105円台を回復しましたが、今日(11月16日)は104.50円まで軟化しています。

【参考記事】
新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)
じわじわとした推移で長期的に米ドル安へ。年末に向けたリスク選好の動きにも期待!(11月10日、バカラ村)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

株が上がろうが、米ドル円は重い。リスクオン・オフで考えるとずれてしまいますね。

先週(11月9日~)は、米金利上昇を米ドル/円の上昇要因として指摘する声もありました。

ファイザー報道の直後には、米10年債利回りが1%目前まで急騰しました。


これで米ドル/円が上がるかと思いきや、抑えられた。


株が上がっても上がらない、米金利が上がっても上がらない米ドル円は、どうしたら上がるのか……と。


結局、米ドル安の流れが強いのでしょう。

【参考記事】
バイデン政権では、ある程度の経済対策が実現し、増税はない。緩やかなドル安進行か(11月11日、志摩力男)
じわじわとした推移で長期的に米ドル安へ。年末に向けたリスク選好の動きにも期待!(11月10日、バカラ村)

■コロナ再拡大で、米国ロックダウンなら株安・米ドル安か

日本の機関投資家は2020年下期、外債ではなく日本国債を買っているという話ですが、一方でカナダやオーストラリアの地方債も買っているという記事も出ていました。


そうだとすれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は強いのでしょうか?

ただ、思ったよりも米ドル円が重い。


米ドル安を見込むなら、シンプルにドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)のほうがいいのでしょう。


ファイザー報道で米ドル/円は大陽線を作りましたが、1日限りで化け線となりました。むしろ、上値の重さを確認した印象です。


株が上がっても上がらない米ドル/円ですが、株式市場が崩れれば、その時は円高なのでしょうし、そうであれば米ドル/円の売りが安心です。

米大統領選は、長期化していますね。

次期財務長官にイエレン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が取りざたされたりしていますが、それは少し先の話。


今、気になるのはコロナの再拡大です。米国では1日の新規感染者が15万人を超えてきました


豪州の成功に学んだバイデンさんは、全土ロックダウンや国境封鎖も視野に入れているようです。

米国の新型コロナ感染者数の推移
米国の新型コロナ感染者数の推移

(出所:TradingView

そうなれば株式市場は下落ですか?

株安・米ドル安でしょう。

■英EU通商交渉とトルコ大幅利上げの行方は

今週(11月16日~)は11月19日(木)にEU(欧州連合)首脳会議が開催されます。


「英国とEUの通商交渉の実質的な合意期限は、11月19日(木)」と見る向きもありますから、要注意ですね。

【参考記事】
バイデン政権では、ある程度の経済対策が実現し、増税はない。緩やかなドル安進行か(11月11日、志摩力男)

交渉の行方を予想するのはギャンブルに近くなってしまうのですが、なんだかんだ言いながらも合意への期待は根強い


モルガン・スタンレーなどは英ポンド/米ドルで1.40ドルまでの上昇を見込んでいます

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

11月19日(木)にはトルコの政策金利発表も控えています。予想では10.25%から15%への大幅利上げです。


トルコリラは下げ止まった感もありますが、利上げ幅に注目ですね。

【参考記事】
利上げならトルコリラ/円は13.50円超え! エルドアン大統領も限定的な利上げに賛成か(11月11日、エミン・ユルマズ)
米大統領選通過と利上げでリラは反発か。トルコリラ/円は13.50円までの戻りを予想(11月4日、エミン・ユルマズ)

トルコリラ/円 日足
トルコリラ/円 日足チャート

(出所:TradingView

■米ドル/円の戻り売りでよさそう

いずれにせよ、今週(11月16日~)は上値の重さを確認した米ドル/円の戻り売りでいいのでしょう。


104円の節目を抜けるのは、今回も時間がかかるかもしれませんが、株式市場の調整などをきっかけにして下げていくのではと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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