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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

新型コロナのワクチン開発期待で、市場は
リスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇

2020年11月12日(木)16:57公開 (2020年11月12日(木)16:57更新)
西原宏一

FXトレーダー・羊飼いに聞く、初心者におすすめのFX口座の選び方とは?

■バイデン勝利の裏にリバタリアン党の存在が?

 みなさん、こんにちは。

 本校執筆時点では、未だ勝利が確定していませんが、バイデンさんは着々と政権交代の準備を進めています。

本校執筆時点では選挙結果は確定していないが、バイデン氏は着々と政権交代の準備を進めている (C)Scott Olson/Getty Images News

本校執筆時点では選挙結果は確定していないが、バイデン氏は着々と政権交代の準備を進めている (C)Scott Olson/Getty Images News

 一方、トランプさんはバイデンさんの不正を明らかにするための裁判を進行中。

 トランプさんは、いつものように多くのメディアで「敗北宣言をしろ」などと叩かれていますが、事前予想とは大きく違い、今回の選挙戦はかなり善戦したといえます

トランプ大統領は多くのメディアに「敗北宣言しろ」などと叩かれているが、事前予想とは多いく違いかなり善戦したといえる (C)Alex Wong/Getty Images

トランプ大統領は多くのメディアに「敗北宣言をしろ」などと叩かれているが、事前予想とは大きく違って、かなり善戦したといえる (C)Alex Wong/Getty Image

 たとえば、アリゾナ州では、バイデンさんが49.4%、トランプさんが49.1%という得票率となり、バイデンさんが勝利しましたが、その差はわずか0.3%です。

 そして注目は、ジョー・ジョーゲンセンさんが1.5%の票を集めていること。このジョー・ジョーゲンセンさんは、リバタリアン党から米大統領選挙に出馬しています。

米大統領選、アリゾナ州の選挙結果
米大統領選、アリゾナ州の選挙結果

(出所:Yahoo!)

 たとえばの話ですが、彼女が出馬していなかったとすれば、この1.5%の票は保守派である共和党に流れる可能性が高かったと思われます。

 トランプさんの得票率49.1%にジョー・ジョーゲンセンさんの1.5%を加算すると、トランプさんが勝利することになるのです。

 「たられば」の話に過ぎませんが、この他にも、こうした僅差の州がいくつかあり、バイデンさん勝利の裏にリバタリアン党の存在があったともいえます。

 ともあれ、今回はリバタリアン党のわずか1.5%程度の票が選挙結果に影響するほど、トランプさんは善戦したといえます

■マーケットの注目は新型コロナのワクチン開発に移行

 ただ、マーケットの話題はすでに米大統領選から新型コロナウイルスのワクチン開発へと移っています。

 米大統領選挙の話題一色だった今週(11月9日~)の月曜日に、いきなり下記の報道が飛び出し、マーケットは様変わり。

 注目の報道は、米製薬大手ファイザーによる新型コロナウイルスのワクチン開発に関するものでした。

米ファイザーのコロナワクチン「9割超に効果」、近く緊急使用申請

米製薬大手ファイザーは9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックと共同開発する新型コロナウイルス感染症ワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。

出所:ロイター

 この報道を受け、日経平均先物は一気に2万5000円台に突入。

 北海ブレントが、一時1バレル=45ドルを上回り、2カ月超ぶりの高値に到達。

 そして、米10年国債利回りは、0.97%水準まで急騰しました。

米10年国債利回り 日足
米10年国債利回り 日足

(出所:TradingView

 これを受け、米ドル/円は一気に2.50円程度急騰し、一時105.68円まで上昇

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(出所:TradingView

 リスクアセットの豪ドル/円は一時77円台、英ポンド/円も140円台まで急回復しています。

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足

(出所:TradingView

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足

(出所:TradingView

■豪ドル/円は上昇トレンド入りで80円目指す展開

 マーケットの焦点は、米大統領選挙から新型コロナウイルスのワクチンへと移り、目線はかなり上にシフトしています。

 たとえば、ゴールドマン・サックス。

 友人によれば、ゴールドマン・サックスのS&P500の予測が今年度(2020年度)末は3700ポイント、2021年末は4300ポイント、2022年末は4600ポイントとのこと。

 そして、米大統領選挙はもう話題にはなっておらず、新型コロナウイルスのワクチン開発の報道にマーケットのフォーカスが変わっているとのことです。

 株高により、注目はリスクアセット通貨である豪ドル/円や加ドル/円、そして、英ポンド/円。

【参考記事】
新型コロナ感染者が少ない豪州に注目! 豪ドル/米ドルは0.75ドルを目指す展開に(11月5日、西原宏一)
米大統領選はバイデン氏勝利が既成事実化。米ドル安継続、豪ドル/米ドルの押し目買い!(11月9日、西原宏一&大橋ひろこ)

 既報のように、豪ドル/円の77.00円と英ポンド/円の140.00円という節目でいったん上昇を抑えられていますが、リスクオンの環境下では、豪ドル/円は80円を目指して上昇トレンドに入ったと想定しています。

豪ドル/円 週足
豪ドル/円 週足

(出所:TradingView

 もちろん、ファイザーの新型コロナウイルスのワクチンにもマイナス面はあり、摂氏マイナス70~80度で保管しなければならないため、物流上の重大な問題を抱えているとも言われていて、まだ実用化には時間がかかりそうです。

 ただ、今回のファイザーの新型コロナウイルスワクチンの報道に対するマーケットの反応が証明するように、米大統領選挙以上にワクチンに対する期待感が高いことがわかります。

 ワクチン開発の期待感が高まり、急激にリスクオンに傾斜するマーケット。

 株高、原油高、米金利高を背景に、80円に向けて上昇を続ける豪ドル/円の行方に注目です。


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