■ワクチンへの期待で円が急落!
米大統領選は、まだ確定したわけではないですが、バイデン氏の勝利でほぼ決まった状態です。
【参考記事】
●米大統領選とは? 制度のしくみや特徴、米ドルなどの為替相場や株価への影響を解説
それを受けて、米ドル安へ推移し、米ドル/円は103.17円まで下がりました。
ただ、昨日(11月9日)、「米製薬大手ファイザーの新型コロナワクチンの試験結果で、感染を防ぐ有効率が90%を超えたことが確認された」との報道を受けて、リスク選好で円が急落。
米ドル/円は105.65円まで急騰、クロス円も急上昇しました。
(出所:TradingView)
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米大統領選でトランプ大統領が勝利したとしても、バイデン氏が勝利したとしても、リスク選好になると考えていましたが、ワクチンまで開発されたとなると、通常の生活へ早期に戻れる可能性が出てきます。
【参考記事】
●米大統領選が終われば、リスク選好に期待できる! 今の米ドル高は短期的な動きに(9月29日、バカラ村)
■年末に向けたリスク選好に期待
さらに、金融政策は緩和されたままということから、株式市場は上昇しやすいことになります。
米国株も日経平均も上昇していますが、年末に向けて、季節性からも上昇しやすいことを考えると、まだ、リスク選好の動きが期待できるのではないかと考えています。
【参考記事】
●米ドル/円は戻り売り。11月から年末にかけて、リスク選好の米ドル安に期待!(9月15日、バカラ村)
(出所:TradingView)
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■今後は、閣僚人事にも注目
先週(11月2日~)は、米大統領選だけでなく上院選もありましたが、こちらは、ねじれ議会になる可能性が有力となっています。
上院では共和党、下院では民主党が、過半数の議席を取ることが予想されています。
ねじれ議会となれば、政策が通りにくくなるため、リスク選好になりにくいことになります。しかし、バイデン氏の公約には増税があり、当初は株式市場が下がると予想されていたこともあって、増税案が通りにくいとなれば、リスク選好になります。
そして、今後は閣僚人事にも注目が集まります。
金融市場にとっては、米財務長官が誰になるかに注目するところですが、ブレイナードFRB(米連邦準備制度理事会)理事が有力視されており、もし、そのとおりであれば、為替市場は米ドル安に反応しやすいことになります。
次期米財務長官に指名されることが有力視されているFRB理事のラエル・ブレイナード氏。ブレイナード氏が米財務長官になれば、為替市場は米ドル安に反応しやすいとバカラ村氏は予想している (C)Bloomberg
ゴールドマン・サックスも、バイデン氏の勝利で米ドル安を予想しており、長期的には、ユーロ/米ドルは1.25ドルを予想しています。
【参考記事】
●米大統領選挙後も、ドル安継続の可能性。ユーロ/米ドルは中期的に1.30ドル予測も(10月22日、西原宏一)
(出所:TradingView)
■米長期金利がさらに上昇すれば、リスク回避に警戒も
基本的には、まだリスク選好の動きが続くと考えていますが、米長期金利は0.95%台まで上昇してきており、これが、さらに上昇が続くようであれば、株式市場には悪い影響を与えます。
(出所:TradingView)
今はまだ、大丈夫だと考えていますが、米長期金利の上昇が続くようであれば、そのときはリスク回避の動きにも注意するべきかと思います。
【参考記事】
●米ドル下落、株価上昇、金利上昇という「バイデントレード」に必要な条件とは?(10月21日、志摩力男)
■じわじわ米ドル安へ。ユーロや豪ドルを押し目買いで
為替市場は、長期的には米ドル安になると考えていますが、ただ、この動きは一気に行くのではなく、じわじわとした推移になるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
目先に関しては、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは、4時間足で調整下げの可能性がありますが、長期に関しては米ドル安になるのではないかと思いますので、押し目買いで良いのではないかと考えています。
【参考記事】
●米大統領選はバイデン氏勝利が既成事実化。米ドル安継続、豪ドル/米ドルの押し目買い!(11月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
●新型コロナ感染者が少ない豪州に注目! 豪ドル/米ドルは0.75ドルを目指す展開に(11月5日、西原宏一)
(出所:TradingView)
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