■コロナ再拡大で、米国ロックダウンなら株安・米ドル安か
日本の機関投資家は2020年下期、外債ではなく日本国債を買っているという話ですが、一方でカナダやオーストラリアの地方債も買っているという記事も出ていました。
そうだとすれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は強いのでしょうか?
ただ、思ったよりも米ドル円が重い。
米ドル安を見込むなら、シンプルにドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)のほうがいいのでしょう。
ファイザー報道で米ドル/円は大陽線を作りましたが、1日限りで化け線となりました。むしろ、上値の重さを確認した印象です。
株が上がっても上がらない米ドル/円ですが、株式市場が崩れれば、その時は円高なのでしょうし、そうであれば米ドル/円の売りが安心です。
米大統領選は、長期化していますね。
次期財務長官にイエレン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が取りざたされたりしていますが、それは少し先の話。
今、気になるのはコロナの再拡大です。米国では1日の新規感染者が15万人を超えてきました。
豪州の成功に学んだバイデンさんは、全土ロックダウンや国境封鎖も視野に入れているようです。

(出所:TradingView)
そうなれば株式市場は下落ですか?
株安・米ドル安でしょう。
■英EU通商交渉とトルコ大幅利上げの行方は
今週(11月16日~)は11月19日(木)にEU(欧州連合)首脳会議が開催されます。
「英国とEUの通商交渉の実質的な合意期限は、11月19日(木)」と見る向きもありますから、要注意ですね。
【参考記事】
●バイデン政権では、ある程度の経済対策が実現し、増税はない。緩やかなドル安進行か(11月11日、志摩力男)
交渉の行方を予想するのはギャンブルに近くなってしまうのですが、なんだかんだ言いながらも合意への期待は根強い。
モルガン・スタンレーなどは英ポンド/米ドルで1.40ドルまでの上昇を見込んでいます。

(出所:TradingView)
11月19日(木)にはトルコの政策金利発表も控えています。予想では10.25%から15%への大幅利上げです。
トルコリラは下げ止まった感もありますが、利上げ幅に注目ですね。
【参考記事】
●利上げならトルコリラ/円は13.50円超え! エルドアン大統領も限定的な利上げに賛成か(11月11日、エミン・ユルマズ)
●米大統領選通過と利上げでリラは反発か。トルコリラ/円は13.50円までの戻りを予想(11月4日、エミン・ユルマズ)

(出所:TradingView)
■米ドル/円の戻り売りでよさそう
いずれにせよ、今週(11月16日~)は上値の重さを確認した米ドル/円の戻り売りでいいのでしょう。
104円の節目を抜けるのは、今回も時間がかかるかもしれませんが、株式市場の調整などをきっかけにして下げていくのではと思います。

(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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