■トランプ大統領のフォローをようやく外すことができた
最近、ツイッターでトランプ大統領のフォローをようやく外すことができました。
好むと好まざるとにかかわらず、これまではトランプ大統領のツイートを見なければならない日々でした。
特に、中国との貿易戦争中は、最重要情報が大統領自身のツイートであり、発言があるたびに、スマホに通知をポップアップまでさせていました。
【参考記事】
●米国が中国を為替操作国に認定! あの為替ディーラーの予見がまたまた当たってビビる
●深夜にトランプ砲炸裂! 直前に公開した為替ディーラーの予見が当たり過ぎて神ってた
●米ドル/円波乱の最大の要因は?トランプ氏の対中ツイートは「きっかけ」にすぎない!(2019年8月2日、陳満咲杜)
●みんなまだ知らない中国人民元の謎に迫る! 第1回 米中貿易戦争激化で大儲けする方法
■トランプ大統領の退場で、為替に動きが出てくることを期待
トランプ大統領の4年間は、イメージ的には激動の4年間だったでしょう。
しかし、為替市場、為替トレーダーにとっては最悪の4年間でもありました。
米ドル/円の年間レンジが10円ほどという、動かない年が4年も続きましたが、こんなことは、かつてありませんでした。
(出所:TradingView)
なぜなのか――。
それは、トランプ大統領のツイートがあまりにもデタラメで、前言を翻すことも多く、真意がどこにあるのか、さっぱりわからない状況が続いたからです。
これでは、大手機関投資家は動けません。大口の投資家が動かないとトレンドは生まれません。
トランプ大統領の退場で、為替市場にも動きが出てくることを期待したいです。
■株や暗号資産はユーフォリア的な上昇となった
先週の当コラムでは、株や暗号資産といった市場でバブル的な症状が出てきたことを指摘しました。
【参考記事】
●NYダウが3万ドル突破! バブルが続けば為替市場にリスクオン相場が戻ってくるかも(11月25日、志摩力男)
11月の日経平均の上昇率は、15.0%。これは、1994年1月以来26年ぶりのことで、過去4番目の上昇幅でした。
(出所:TradingView)
NYダウは11.8%の上昇で、これは、過去30年で最高の上昇率。S&P500も11.3%と、今年(2020年)4月に記録した過去最高の12.7%に次ぐ、2番目の上昇率でした。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
大統領選挙、そしてワクチン開発の成功という良いニュースが続き、しかも、米国株には11月以降は上昇しやすいアノマリーがあります。
こうしたことが重なって、ユーフォリア的な上昇となったのでしょう。
■史上最大級の金融緩和は続く
しかし、その根幹にあるのは、史上最大級の金融緩和です。
株式市場は、すでにコロナ後の世界であり、ESG(※)関連には怒涛の資金が流入して歪な状況になっています。
(※編集部注:ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉)
それを修正するには金融引き締めしかありませんが、実体経済は依然として大変であり、失業者も多くいます。
金融政策は、社会の弱い部分にフォーカスして政策が決められます。少なくとも、2023年まで現行の金融政策が続くことがコミットされています。
【参考記事】
●米ドルは状況が落ち着けば下落していく…。ゼロ金利は5年ぐらい続くのではないか?(7月8日、志摩力男)
■バブル的な状況では、ロング維持が正解だったりする
そうであるならば、バブル的な状況は、行くところまで行く可能性があります。
もちろん、症状的にはバブル的、ユーフォリア的であるので、どこかで勝手に腰折れてくるかもしれませんし、何らかの突発的ニュースに動揺するときもありますが、大概の場合、多少利食いを入れてロング維持が正解だったりします。
新たなロングは厳禁ですが、買われ過ぎを理由にショートにするのは、おすすめしません。
決まれば格好良いですが、簡単な上昇相場でショートにして負けるのは、精神的ダメージがきついので、やめたほうが良いかと思います。
■米ドル安・円安という懐かしい相関関係に戻りそう
そして、この株式市場のバブル的状況が、ついに為替市場にも反映されそうになってきました。
【参考記事】
●NYダウが3万ドル突破! バブルが続けば為替市場にリスクオン相場が戻ってくるかも(11月25日、志摩力男)
クラッシックな「リスクオン」相場では、ユーロ円等のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇しやすくなりますが、12月に入ってユーロ/円が上昇してきました。
(出所:TradingView)
現在の金融市場の根幹にあるのが金融当局による超金融緩和ですが、そのトップランナーはFRB(米連邦準備制度理事会)です。
米国は期待インフレ率が他の国よりも高めなので、実質金利が非常に低くなっています。
基本は米ドル下落となりますが、それがクラッシックな「リスクオン」相場と相まって米ドル安・円安という懐かしい相関関係に戻りそうです。
では、米ドル/円は上がるのかというと、そういうこともないでしょう。基本は米ドル売りです。
株価が崩れて「リスクオフ」になった瞬間、米/ドル円は崩れて大きく落ちることになるでしょう。
結果的に、ユーロ/米ドルも上がり、米ドル/円も下がる、米ドル売り相場になりますが、その時々の動きはクロス円に左右されるという相場が戻ってきそうです。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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