■NYダウが3万ドル突破! 日経平均やビットコインも上昇
NYダウが、3万ドルを突破しました。NYダウばかりでなく、日経平均も1991年以来29年ぶりの高値を示現し、ビットコインも対米ドルで2万ドルの大台に乗せつつあります。
(出所:TradingView)
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実体経済は、コロナという未曾有の危機にさらされる一方、かつてない金融緩和と財政刺激に金融市場は高騰しました。
この実体経済と金融市場の大きな違いに、違和感を覚える人は多かったと思います。
【参考記事】
●現実とマーケットの違いに猛烈な違和感。米マイナス金利導入なら米ドル大暴落も…(5月13日、志摩力男)
●新型コロナ不況とリーマン・ショックの違いは? 景気後退は厳しくなる。市場は楽観的すぎ!(4月8日、志摩力男)
そこに、ファイザー等からワクチン開発成功のニュースが舞い込んできました。
【参考記事】
●円高になったところでドル/円・クロス円の買い。東京オリンピック開催も見えてきた!?(11月19日、今井雅人)
●日本株は世界のバリュー株。ワクチンの成功でバリューシフト進めば円高・株高か(11月18日、志摩力男)
●新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)
■バブル形成には理想的な組み合わせ。好環境は続く
これで実体経済も回復に向かうことになりますが、金融引き締めは、「向こう数年ない」と当局者は明言しています。
ハト派で知られたイエレン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が、バイデン政権の財務長官に就任するというニュースも、金融引き締めが当面ないという観測を強めています。
好転に向かう実体経済と、引き締めに転じることのない金融政策。バブル形成には理想的な組み合わせです。
しかも、米国大統領選挙の直後であり、次の政権への引き継ぎの時期です。政策のエアポケットともいえ、金融市場の細かい動きなど、誰も気にしていないでしょう。
つまり、この好環境は、まだまだ続く可能性が高いと思われます。
■沈滞が続く為替市場。かつてのやり方が通用しなくなった
この状況が続くなら、為替市場にはどのような影響があるでしょうか。
株式市場と暗号資産市場が活況に湧く一方、為替市場は沈滞が続いています。
かつてであれば、こうした「リスクオン」のときには、ユーロ/円や豪ドル/円といったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇していました。
2016年、トランプ大統領当選後のトランプラリーでは、米ドル/円の上昇が顕著だったのですが、他の通貨ペア以上に米ドル/円が上昇したのは、こうしたクロス円取引の影響です。
【参考記事】
●トランプラリーとは? 2016年米大統領選でのトランプ氏当選を受けて、強烈なリスクオンに!
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しかし、2020年になり、かつてのような明確な「リスクオン」「リスクオフ」相場はなくなりました。
3月の相場乱高下で、そうしたやり方が通用しなくなったからです。
【参考記事】
●リーマンショック時も同じ!? 米国株急落と米ドル上昇が同時に起きた4つの理由とは?(3月25日、志摩力男)
●利下げにもかかわらずレパトリで米ドル高。弱い商品市況。豪ドルは弱い通貨に逆戻りか(3月18日、志摩力男)
●新型コロナの影響で市場は今後どうなる? 世界中が金利ゼロへ!? ドル/円100円割れも!(3月4日、志摩力男)
かつてと同様の市場環境であったとしたら、今頃はユーロ/円や豪ドル/円が上昇していたことでしょう。
■バブル続けば、為替市場でもリスクオン相場が戻ってくるか
ただ、こうしたバブル的な株式市場、暗号資産市場が続けば、為替市場でもかつての「リスクオン」相場が戻ってくる可能性があると思います。
ユーロ/円が125円台にしっかり乗ってくれば、127円からもっと上を望める格好に見えます。
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豪ドル/円も、長いダウントレンドが今年(2020年)の3月安値60円で大底を付けた格好です。80円方向への戻りを期待したいところです。
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■バイデン政権下でカナダドルやメキシコペソの上昇を期待
バイデン政権となれば、トランプ政権の時と違い、カナダやメキシコといった国が貿易面で米国から圧力を受けることはなくなるでしょう。
カナダドルは対米ドルでさらなる上昇(1.25カナダドル方向へ下落か)、対円では84円から85円、そして90円方向を期待したいところです。
(出所:TradingView)
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メキシコペソは、もっとも恩恵を受ける通貨でしょう。対米貿易が改善し、観光需要も戻ってくるでしょう。対円では5.5円方向を期待しています。
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