■FOMCでは2023年末までのゼロ金利維持が示唆された
先週(3月15日~)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の金融政策決定会合がありました。
FOMCは、「早期のテーパリング(※)観測や、ドットチャートで2023年に1回の利上げを示唆するのではないか」といった市場参加者の予想もあったため、注目されるイベントとなっていました。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
結果は、政策金利は現状維持。
2021年のGDP成長率見通しは6.5%へ大きく上方修正。
失業率は4.5%へ低下、インフレ見通しは2.2%となりました。
これはバイデン米大統領の1.9兆ドルの経済対策や、新型コロナウイルスがワクチンによって沈静化していることで、経済の回復を見通した内容になります。
【参考記事】
●バイデン大統領の1.9兆ドル経済対策成立。米国株の調整局面は豪ドル/円の買い場か(3月16日、バカラ村)
ドットチャートに関しては、2023年に1回の利上げがあるとの事前予想もありましたが、実際はゼロ金利を維持することが示唆されました。
(出所:FRB)
結果、米国経済は回復するが低金利は継続するということになり、米国株は上昇、為替は米ドル安へ推移しました。
★ザイFX!で人気のバカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、個人トレーダー目線で初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスや相場分析などを、メルマガで配信! 10日間の無料体験期間もあります!
■米長期金利の上昇傾向続き、ドル/円は上がりやすい状況
SLR(補完的レバレッジ比率)(※)の緩和措置に関しては、市場は継続するとの予想が多かったように思いますが、3月19日(金)にはこの緩和措置が3月末で終了されることが発表され、米長期金利は1.74%台まで上昇しました。
(※編集部注:「SLR」とは、大手金融機関を対象にリーマンショック後に導入された自己資本規制の1つ)
(出所:TradingView)
FRBは米長期金利の上昇に関して懸念しておらず、放置したような状態です。
どの水準まで上がれば懸念を示してくるのか、そこが注目ですが、現在は静観していることもあり、米長期金利は上昇傾向が止まらず、その面からは米ドル/円も上がりやすい状況だといえます。
(出所:TradingView)
■日銀会合では長期金利の変動幅を0.25%程度へ拡大
日銀の金融政策決定会合では、長期金利の変動幅を±0.25%程度へ拡大、ETFの原則6兆円の購入目安を削除しました。
変動幅が広がるということは、上限が拡大したということになるため、これは金融引き締めとも受け取れる内容になります。
しかし、黒田総裁は「表現の明確化であり、拡大ではない」と発言し、金融緩和継続の姿勢を示していることもあり、今のところ円高には推移していない状況です。
日銀会合では、長期金利の変動幅を±0.25%拡大。金融引き締めとも受け取れる内容だが、黒田総裁は金融緩和継続の姿勢を示しているため、円高には推移していない (C)Bloomberg/Getty Images
■為替相場は全般的に横ばい傾向に
今年(2021年)に入ってからは、トレンドが出ている通貨ペアが多かったですが、直近半月ほどは横ばいに変わってきています。
年初からの動きは一服し、今週(3月22日~)もこの調整の動きが続きそうです。
米ドル/円は、108.35~109.35円のレンジ内で推移しています。
(出所:TradingView)
上がれば、3月末に向けた実需の売りも出ているようですが、下がったところも買いがあるようです。
オシレーター系指標では、まだ買われ過ぎを示唆しているものもあります。
米長期金利が下がるような状況ではないため、米ドル/円も下げに変わるように思えず、今週(3月22日~)ももみ合いが継続するのではないかと思います。
今週(3月22日~)の米ドル/円は、108.00~109.50円のレンジでの推移になるのではないかと思います。
★バカラ村さんの有料メルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」では、実践的な売買アドバイスを配信! 10日間の無料体験期間もあります!
■ユーロ/米ドルは戻り売りでのレンジトレードがよさそう
ユーロ/米ドルも横ばいとなっており、1.1835~1.2000ドルのレンジが続いています。
今週(3月22日~)もこのレンジが続きそうですが、米長期金利の上昇もあり、ユーロ/米ドルは戻り売りでのレンジトレードがいいのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)