■バイデン大統領の1.9兆ドル経済対策成立でリスク選好へ
市場が注目していた、バイデン米大統領の1.9兆ドルの経済対策は成立しました。
【参考記事】
●上昇中の米長期金利はさらに上昇するのか?ユーロ/米ドル、MACDでダイバージェンス発生(3月9日、バカラ村)
●新年度入りに向け、米ドル/円は大幅上昇の可能性! 米長期金利は2%超えもあるか(3月10日、志摩力男)
1人あたり1400ドルの現金給付が行われることから、金融市場はリスク選好になりやすい状況だと言えます。
ドイツ銀行の調査によると、「1700億ドルが米国株に流れる可能性がある」としています。
米株市場に1700億ドル流入も、景気対策の個人向け給付で-ドイツ銀
米国の追加景気対策によって米株式市場に1700億ドル(約18兆円)の個人マネーが流入する可能性がある。ドイツ銀行のストラテジストらが試算した。
出所:Bloomberg
米国株だけではなく、ビットコインなどにも流れると思いますが、金額が大きいこともあり、NYダウなど米国株は堅調になりやすいと思います。
(出所:TradingView)
IMF(国際通貨基金)によると、1.9兆ドルの経済対策は3年でGDPを5~6%押し上げる効果があると予想しています。
今回の経済対策は、直接的に株式市場を上昇させるだけでなく、景気回復にも影響するため、米国の強さが今後も出てくるのではないかと思います。
米国は新型コロナウイルスのワクチンの普及もあり、新規感染者も減少していることから、コロナ前の社会に戻るのも早いことになります。
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■2022年利上げを市場が織り込み始める中、FOMCは?
今週(3月15日~)の注目イベントは、16日(火)~17日(水)にあるFOMC(米連邦公開市場委員会)です。
そして、3月18日(木)~19日(金)には日銀金融政策決定会合もあります。
3月11日(木)に開催されたECB(欧州中央銀行)理事会では、政策金利は現状維持でしたが、声明では「次の四半期にパンデミック緊急プログラムの購入ペースはかなり加速する」とされました。
今年(2021年)になってから各国の長期金利が上昇傾向にあり、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長はそれを静観していますが、ECBは懸念していることがはっきりしました。
今回のFOMCの注目点としては、長期金利の上昇傾向についてパウエル議長はまだ静観してくるのか、また、テーパリング(※)についての質問も出てくると思いますので、その点をどのように答えるのか、といったところで波乱要因となる材料が多くなります。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
昨年(2020年)12月のFOMCで公表されたドットチャートを見ると、2023年まで低金利を続けることを示したメンバーが多く、パウエル議長も低金利を続けることを示唆していましたが、市場は2022年の利上げを織り込み始めています。
(出所:FRB)
今回のFOMCで公表されるドットチャートでは、利上げ予想が早まる可能性はあると思いますが、パウエル議長は利上げは当面ないことを示唆すると思いますので、FOMCとパウエル議長の会見では、相場は乱高下しやすいと思います。
■米ドル/円はFOMCで下がっても、日銀会合後には反転か
3月18日(木)~19日(金)は日銀会合がありますが、今回は久しぶりに注目されています。
【参考記事】
●米ドル/円を引き続き、押し目買い! 中長期投資家の参入で、ゲームチェンジが鮮明に(3月15日、西原宏一&大橋ひろこ)
ただ、日程的にはFOMCのあとになるため、日銀会合のメンバーはFOMCの行動を見てから判断することになると思います。
そのため、もし、FOMCで米ドル/円が下がるようなことになったとしても、日銀会合後には反転している可能性も十分にあると思います。
(出所:TradingView)
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■流れはリスク選好。豪ドル/円の押し目買いが良さそう
今週(3月15日~)はFOMCと日銀会合で、どのように動くのか、判断するには難しいタイミングだと思います。
ただ、大きな流れとしては、バイデン大統領の経済対策もあってリスク選好から米国株は上昇しやすいと考えています。
長期金利も上昇トレンドは継続されることから、米国株は何度も大きな調整を挟みながらの上昇になると思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
大きな流れはリスク選好ということもあり、為替市場では豪ドル/円の押し目買いのトレードでいいのではないかと思います。
米国株に連れて、豪ドル/円も一時的にリスク回避の動きを挟むと思いますので、その下がったところが買い場になると思います。
(出所:TradingView)
RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は、2024年まで利上げを行わないことを示唆しており、豪ドル高も懸念しているものの、バイデン米大統領の経済対策によって、豪ドル/円も堅調になりやすいのではないかと考えています。
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