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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

テーパリングへと踏み出したNZドルは当面
強気! 米国のテーパリング議論開始は6月か

2021年05月31日(月)15:25公開 (2021年05月31日(月)15:25更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■ニュージーランドでサプライズ! 英国は利上げへ?

先週(5月24日~)、サプライズだったのがRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])


声明文からは、前回まであった利下げの言及が消え、見通しも強気に変更されました。

【参考記事】
NZ中銀が、テーパリングに一歩前進。ニュージーランドドル/円は85円へ上昇再開(5月27日、西原宏一)

見通しでは利上げ時期を2022年9月としました。


ニュージーランドは新規感染者もほぼゼロで、交易も戻ってきており、当然といえば当然なのですが、予想されていなかったことなので驚きました


4月にはカナダがテーパリングを決定し、カナダドルが買われました。


同じ流れを想定し、ニュージーランドドルに対しては当面強気でいいのでしょう。

【参考記事】
次にテーパリングに動くのは米国なのか? 材木相場続伸で、カナダドル/円は95円目標(5月13日、西原宏一)
テーパリング着手で上昇のカナダドルは、材木相場の急騰で、さらに買い妙味アリ?(5月6日、西原宏一)
テーパリングに着手したカナダ。カナダドルは全面高! 次は、米国やオセアニア?(4月22日、西原宏一)

ニュージーランドドル/円 日足
ニュージーランドドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])も5月会合で国債の買い入れペースを減速させ、実質的なテーパリングへ動き始めていますし、ブリハBOE理事は「来年の早い時期の利上げも可能だ」との見通しを示しました。


明日はRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])会合です。


テーパリングについての見通しはいかがですか?

【参考記事】
木材や鉄鉱石の急騰で、資源国通貨買い! 豪ドル/円は直近高値上抜けで90円視野に(5月10日、西原宏一&大橋ひろこ)

RBAは弱気なスタンスを維持していますから、RBNZのサプライズがあったとはいえ、急に強気になるとは考えにくい。


これまでのスタンスを維持するのでしょう。

■過去最高額の「リバースレポ」が示すこと

そうなると、次のテーパリングはやはり米国でしょうか?

そうでしょう


そのため、ニュージーランドドルを買うにしても、対米ドルではなく、テーパリングからもっとも遠い対円を選択しましたし、金融政策の対称性が鮮明な対豪ドルでもいい

先週話題となったのがFRB(米連邦準備制度理事会)の「リバースレポ」。


金融機関から国債を買い入れて資金を供給する取引のリバースですから、持て余した資金をFRBが吸収する取引です。


このリバースレポが先週、過去最高額を記録しました。


金融機関の資金に需要がないということですから、「QE(量的緩和)効果に限界が見えてきた。テーパリングせざるを得ない状況になっている」とも指摘されていますね。

同感です。


エコノミストの意見を見ていると、6月15日(火)、16日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で議論を始めるとの意見が多いようです。

6月FOMCで議論を開始し、8月のジャクソンホールで明言するといった流れですね。


クラリダFRB副議長も「今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」と先週発言しました。

■米ドル/円は110円、110.50円のオプションに注目

今週(5月31日~)は米雇用統計がありますが、市場がすでにテーパリングを織りこみ始めているなら、雇用の数字はあまり関係ないのかもしれません。


先週の米コアPCE価格指数も予想2.9%に対して3.1%の上昇と強い数字でしたが、市場の反応は限定的でした。


米ドル/円は重いのでしょうか?

先週の米ドル/円は欧米勢が110.00円、110.50円のドルコールオプションの買いをまとめてマーケットに投入しました。


満期までまだ時間はありますが、動くなら110円方向なのでしょう。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

明日からは半期末となる6月。


例年、中間決算となる6月のユーロはレパトリなどの影響が出やすいと言われています。

コモディティ市場はいかがですか?

明日(6月1日)、OPECプラス(※)の閣僚級会合が開催されます。


減産枠の縮小が予想され、またイラン核合意の立て直しに向けた米国とイランの間接協議が再開されたことで「イラン産原油が市場に戻ってくる」との思惑も出ていますが、原油価格は意外と堅調


減産枠縮小は予想されていることですし、イラン産原油はすでに中国が輸入しているとされてもいるためでしょう。実際、イラン産原油は増産基調にあります。


6月18日(金)にはイランで大統領選挙がありますが、米国との対話継続がカギとなります。

(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)

■止まらない脱カーボンの流れ

伊藤忠が石炭火力発電から完全撤退するとの報道も出ています。


脱カーボンの流れは止まらないですね。

【参考記事】
世界の変革の波に乗れ! クリーンエネルギー関連銘柄をCFDで取引する!

エクソン・モービルの株主総会では、わずか0.02%の株しか持たない環境派アクティビストの提案した候補が取締役に就任しました。


化石燃料は脱カーボン派に着々と追い詰められています。


ただ、化石燃料への投資が鈍化すれば、供給減から原油価格はジリジリと上がっていくことも考えられ、それは再生可能エネルギーをコスト面で優位に立たせることにもなります。

■テーパリングへと踏み出したニュージーランドドル/円を買い

今年(2021年)の為替市場は(1)ワクチン接種が順調な通貨、(2)木材など高騰するコモディティ市場と関連する通貨、(3)テーパリングが近い通貨の3つが買われています。


引き続き、コモディティ市場にも注目ですね。

今週の戦略はいかがですか?

モルガン・スタンレーはRBNZの決定を「グレート・ホーキッシュ・シフト」と評しました


市場の焦点のひとつであるテーパリングへと踏み出したニュージーランドドル/円の買いでいいのでしょう。

ニュージーランドドル/円 日足
ニュージーランドドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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