■カナダがテーパリング着手で、カナダドル急騰
みなさん、こんにちは。
4月21日(水)の欧米市場では、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])のサプライズにより、カナダドルが急騰。
まず、政策金利は0.25%のまま据え置き。声明では、「世界とカナダの経済見通しは改善した」と分析しました。
そして、BOCは、資産買入れを従来の毎週40億カナダドルから30億カナダドルへ減額することを発表し、テーパリング(※)に着手。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
加えて、利上げ開始時期の予想を2023年から2022年後半へ前倒ししました。
コンセンサスは2023年でしたので、タカ派サプライズとなり、カナダドルは急騰しました。
(出所:IG証券)
マーケットは、このBOCの決定を極めてタカ派と受け取っています。
カナダ中銀、金融緩和の規模を縮小-利上げのめどを22年に前倒し
マネックスのシニア外為アナリスト、サイモン・ハーベイ氏は「カナダ銀行はかなりタカ派的なメッセージを発した」と電子メールで指摘。
出所:Bloomberg
この発表を受け、カナダドルは主要通貨に対し、全面高に。
対米ドルでは、一時1.2460カナダドル、対ユーロでは1.4991カナダドルまでカナダドル高が進んだほか、対円では86.79円まで急騰しました。
(出所:IG証券)
(出所:IG証券)
★ザイFX!で人気の西原宏一さんの有料メルマガ「FXトレード戦略指令!」では、タイムリーな為替予想や実践的な売買アドバイスなどをメルマガや会員限定ウェブサイトで配信! 10日間の無料体験期間もあります! 詳しくは、以下のバナーをクリック!
■次にテーパリングを発表するのはどこか?
このように、BOCが他の主要国に先駆けてテーパリングを発表しましたが、マーケットでは、次にテーパリングを発表するのはどこ?ということが注目されています。
以前コラムでご紹介させていただいているように、米国、豪州、そしてニュージーランドでは、不動産価格が急騰しており、インフレが進行。
【参考記事】
●豪ドル/円は、短期目標の90円に向け続伸!オセアニアがグローバルな景気回復を先取り(2月25日、西原宏一)
カナダがテーパリングに動いた事で、米国でも近々テーパリングが議論され始める可能性が高まっています。
JPモルガン・アセット・マネジメントは、6月にテーパリングの示唆があるだろうと予測。
米金融当局は6月にもテーパリング計画示唆-JPモルガン・アセット
JPモルガン・アセット・マネジメントのトゥシュカ・マハラジ氏が、「米金融当局は6月にも資産購入を段階的に減らす計画を示唆し始める可能性があると指摘。
出所:Bloomberg
来週(4月26日~)のFOMC(米連邦公開市場委員会)が注目されるところです。
★西原宏一さんの有料メルマガ「FXトレード戦略指令!」では、タイムリーな為替予想や実践的な売買アドバイスを配信!詳しくは、以下のバナーをクリック!
■センチメント改善で、オセアニア通貨は押し目買い
不動産価格が高騰している豪州とニュージーランドもインフレが進行しているのは同じですが、加えて、豪州とニュージーランドでは、トラベルバブルが始まっており、センチメントもかなり改善。
このオセアニア両国は、ポストコロナという意味において、北半球の主要国と比較し、先行しているといえます。
【参考記事】
●早晩、ドル/円の調整は終わる可能性高い。108円台ミドルレベルは、買いの好機!(4月15日、西原宏一)
ただ、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は、雇用の改善を待つという慎重なスタンスも見受けられますので、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])のほうが、テーパリングを示唆する時期が早いかもしれません。
この意味においては、豪ドルよりもニュージーランドドルのほうが上昇余地が拡大しているともいえます。
(出所:IG証券)
お伝えしたとおり、BOCがテーパリングに動いたことで、来週(4月26日~)開催されるFOMCに注目が集まっています。
また、不動産価格の高騰とトラベルバブルが始まっている、豪州とニュージーランドということで、こちらも注目されますが、為替については豪ドル/円に加え、ニュージーランドドル/円も押し目買いスタンスで臨みたいところです。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)