米長期金利はダブルボトム形成後、急反発。米ドル/円も上昇
みなさん、こんにちは。
前回のコラムでご紹介させていただいたとおり、米10年債利回りは、ダブルボトムを形成し反発。
【参考記事】
●米長期金利がダブルボトムを形成し反発すれば、米ドル/円は112円へ向けて再び上昇する可能性濃厚!(8月5日、西原宏一)
米10年債利回りの上昇に呼応して、米ドル/円も一時110.80円まで上昇しました。
(出所:TradingView)
米ドル/円の行方は、米10年債利回りの行方が大きな鍵を握っていることに変わりはないため、ここで、米10年債利回りの推移を確認してみましょう。以下は、米10年債利回りの日足チャートです。
(出所:TradingView)
8月4日(水)に、1.1258%でダブルボトムを形成し、5営業日で陽線を出し、一方的に上昇。
3月30日(火)高値である1.7742%から8月4日(水)安値となる1.1258%までの下落幅の38.2%戻しは1.3735%、8月11日(水)の7月米CPI発表前の戻り高値は1.3743%。
つまり、米10年債利回りは5営業日、連日で陽線を形成して急伸し、38.2%戻しレベルまで反発後、上げ止まったという展開です。
(出所:TradingView)
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米10年債利回りが急騰すれば、米ドル/円の上値余地は112円よりさらに拡大へ
では、7月の米CPIの結果を受け、いったん利回りが上げ止まった米10年国債の相場では、どのようなことが焦点になっているのか確認しておきましょう。
5営業日続伸していた米10年債利回りの上昇が落ち着いたきっかけは、7月の米CPIの結果でした。7月の米CPIは上昇ペースが穏やかに(結果:0.5%上昇 前月:0.9%上昇)。コアCPIも伸びが鈍化しました。
この結果を受けて、米10年債利回りは、一時1.300%まで反落。
ただ、米国のインフレ進行は変わらないため、1.1260%でボトムを打った米10年債利回りの上昇トレンドは変わらずとみます。
その米10年国債に関して、マーケットでは、コンベクシティヘッジ(※)の引き金レベルに近づいていることが話題になっています。
(※「コンベクシティヘッジ」とは、金利上昇により損失や不利益を被る投資家が、その対策として、投資家自身が保有している国債を売却したり、国債を空売りしたりすること)
米国債利回り、コンベクシティヘッジの引き金レベルに近づく
米国債がさらに売られれば、住宅ローン関連のヘッジが活発化し、10年物利回りが1.43%を超えるとさらに加速する可能性がある。モルガン・スタンレーのストラテジストらはこのようにみている。
出所:Bloomberg
現在は、連邦準備制度がMBS(不動産ローン担保証券)のほぼ3分の1を保有していることから、コンベクシティヘッジの影響はかつてほどではないという意見もありますが、先週(8月2日~)から、一方的に上昇してきた米10年債利回りが、トリガーレベルの1.43%に近づいてきているため、マーケットの警戒感も高まっているわけです。
(出所:TradingView)
仮に、1.43%でトリガーし、米10年債利回りが急騰すれば、相関性の高い米ドル/円の上値余地は112円よりさらに拡大します。
(出所:TradingView)
コンベクシティヘッジの引き金レベルに近づいていることで、マーケットの注目は引き続き米10年債利回り。
トリガーレベルに急接近している米10年債利回りと、連動して値を上げてきている米ドル/円の行方に注目です。
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